【プロカメラマン】が大量画像で記録!「腐っていたKLXが終に熟成!四国MSBR撮影後の修理と詰めの改良!」(最終回)
エンジンガードの曲がりとへこみはプロの手で
ひん曲がっていたのを現場で応急処置した特製エンジンガード。これを製作者である狩野溶接工業代表の狩野さんまで持参。確認すると、曲がっただけではなくクランクケースボルトでへこみができていました。 狩野さんはまず曲がったガード本体を作業台上にて腕力でざっくりと戻したあと、中央部付け根から直線部の曲がり修正、それに微妙な亀裂を若干の肉盛りで補修。 それが終わると、へこんだ部分の深いところに穴の開いた小さな鉄板(スライディングハンマー使用時に引っ掛けるためのもの)を溶接して、スライディングハンマーでへこみを引き戻す作業に取り掛かります。 エンジンガードのパイプ肉厚がそれほど厚くないとはいえ、小さくても深いへこみは力を強く入れないとへこみを戻せず、何度か鉄の小片が取れては溶接で付け直して……の繰り返しになりました。根気よく作業を続け、さらにはポリッシャーで表面を慣らすと、転倒前よりきれいになっちゃったくらいの仕上がりです。狩野さん、さすがの復旧作業です! 思えば、このKLX「松野スペシャル」の各特別部材の製作は、狩野さんのご協力なしには実現しなかっただろうとつくづく感謝(めっきの神谷電化工業さんも同社の協力会社)。 ■いざ、東京都葛飾区堀切の狩野溶接工業へ(もはや主治医)! ■曲がり具合を見て修理順序を考える狩野社長。「どこまで直るかねぇ?」と一言。 ■まずは腕力で戻せるまで曲げる。これでずいぶん戻ったのが驚きです。 ■火炙りの刑に処して、前後方向のねじれの修正にかかります。 ■それが戻ると、たたくなどしてマウント部分の確認。 ■戻した分、ヘコミが生じたようです。どう対処するのでしょう? ■半自動の溶接で、何かをくっ付ける作業が始まりました。 ■熱を加えた後に、スライディングハンマーで引っ張り出すための板材ですね。 ■上に向けて円筒状のハンマーをカーン!と一撃。でもそう容易には戻らない模様。 ■さらに炙って加熱です。今度はトーチで部分加熱しながら引っ張り材も接合。 ■だいぶ戻ってきました! ダメ押しで、もう一枚付けてスライディングハンマー攻撃。 ■同様の方法で、ガード下側のエンジンのボルトに当たったとおぼしきへこみを修理。 ■修理作業で表面の荒れたところや微小な割れを、TIG溶接し、サンダーで均して整形。 ■肉盛りした部分の出っ張りを修正。 ■だんだんオーバークォリティーな雰囲気になってきた狩野社長の図。 ■最後はポリッシャーで、表面の段差がほとんど分からなくなるまで研磨します。 ■滑走痕以外、現地であれだけ派手に曲がっていたとは思えぬガードに戻りました!
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