ヤングなでしこは世界で強いが、なでしこジャパンは8強止まり。世代別代表の成績がトップとリンクしない謎。先を見据えたメンバー選びやシステム選択は見直す必要がある【識者の見解】
日本は攻守にコレクティブで、まとまりがある
“ヤングなでしこ”ことU-20日本女子代表は、先のU-20女子ワールドカップで準優勝に終わった。決勝の相手は北朝鮮。15分にチェ・イルソンに決められ、最後まで1点が遠く、0-1で敗戦した。 【画像】華やかに可憐にピッチで輝く!世界の“美女フットボーラー”を一挙紹介! 前回大会のファイナルで敗れたスペイン、強豪のオランダを撃破して、最後にアジアのライバルに屈して世界一を逃したことは悔しい結果だが、内容面でも北朝鮮が上回っていたと言える。 それでも、コロナ禍で中止になった2020年大会を挟み、18年大会は優勝、22年と24年の両大会はいずれも準優勝と、3大会連続でファイナルに勝ち進んでいる。ここ数年で見れば、女子の同年代で最も成功を収めている。 一方で、A代表の“なでしこジャパン”は19年の女子ワールドカップでベスト16、東京五輪はベスト8、23年の女子W杯もベスト8、パリ五輪もベスト8で、“8強”が壁になってきている。 もちろんW杯や五輪のような大会の結果は、監督の采配だったり、巡り合わせや主力選手のコンディションに左右される部分もあるので、一概に結果から育成面の問題に集約することはできないが、アンダーカテゴリーとA代表の成績がリンクしない理由について、筆者なりに見解をまとめてみたい。 まずは、ヤングなでしこを含むアンダーカテゴリーの代表強化が、非常に組織化されていることだ。今回の大会を通してみても、日本は攻守にコレクティブで、チームとしてもまとまりがあった。 一方で、日本の相手側は北朝鮮を除けば、準決勝で対戦したオランダが象徴的だったように、サイズや身体能力を持て余しているところが多々見られる。それがトップカテゴリーになってくると、特に欧米の列強国はフルピッチを組織として活用するようになり、日本の女子選手には出しにくいキック力や縦の推進力を発揮できるようになるため、ミスマッチに苦労しやすくなる傾向が強い。 アンダーカテゴリーとA代表で大きく違うのは、攻撃面だとウイング、守備面だとサイドバックだ。このポジションの走力とキック力が男子以上に勝敗を分けるポイントになるなかで、日本はここのタレントが不足しやすい。 アンダーカテゴリーからチームとして世界を獲りに行くことが間違っているとは思わない。ただし、アプローチとしてアンダーカテゴリーとトップカテゴリーでのサッカーの変化を多少見越して、メンバー選びや起用法、選手に求めるプレーを見直す必要があるかもしれない。 もっとも、日本の女子サッカーの場合は競技人口の問題があり、おそらく発育過程の違いも含めて、男子以上に育成年代で“勝負付け”が済んでしまう傾向が見られるのは良し悪しだ。
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