矯正治療で歯を「抜く・抜かない」の判断基準は? 抜歯が必要な理由やメリット・デメリットを解説
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編集部: 矯正治療で抜歯が必要な場合、どの歯を抜くことが多いですか? また、その歯が 選ばれる理由も教えてください。 鈴木先生: 多くは小臼歯(前から4番目・5番目)を抜くのが一般的です。前歯は審美面のほか食べ物をかみ切る役目があり、犬歯は下顎を動かしたときのガイドという重要な役割を担っています。 奥歯は噛む力を支える要です。このような歯の役割を考えたうえで 、機能の影響が少ない点が小臼歯を抜歯する歯として選ぶ主な理由です。また、歯のガタガタが起きている部分に近いことが多く、効率的にガタガタを改善できるという点も挙げられます。 編集部: 矯正治療で抜歯が必要な場合、受診している歯科医院で抜歯をしてもらえるので しょうか? 鈴木先生: これは受診する歯科医院によって対応がわかれます。矯正歯科専門医院のなかには抜歯に対応していない医院も多いため、その場合は一般歯科の紹介を受けて、そこで抜歯を行ってもらいます。抜歯の際は、どこで抜歯を行うかをよく確認しておきましょう。 編集部: 矯正治療で抜歯が必要な場合、費用に保険は適用できるのでしょうか? 具体的な 費用の目安も教えてください。 鈴木先生: 矯正治療は自費診療となるため、抜歯の費用についても基本的に保険は適用されません。具体的にどのぐらいかかるかは受診する歯科医院によって異なりますが、目安としては1本あたり5000~1万円前後です。 編集部: 最後に、読者へメッセージをお願いします。 鈴木先生: 矯正治療は、終了まである程度の期間が必要です。疑問をかかえたまま治療に進んで行くことは、とても不安に感じると思います。歯科医師も情報をお伝えすることに努めますが、患者さんからも疑問があれば遠慮なく歯科医師に質問してください。 抜歯、非抜歯の選択はもちろんのこと、どんな治療を受けているのか、治療のゴールは何処なのか、などを理解することが、安心で良好な治療を受けられることにつながるでしょう。