富士フイルム「X-M5」レビュー 小型軽量ボディは好印象も、EVFはやはり欲しい
廉価ながら高性能でつくりのよいモデルが相次いでディスコンとなり、ちょっと寂しい状況の続いていた富士フイルムXシリーズのミラーレス。ようやくその後継と述べてよいモデルが登場しました。その名も「X-M5」。Xシリーズの新しいセグメントとなるミラーレスです。ファインダーを省き、Vlogモードを搭載するなど、動画撮影をかなり意識したつくりとなっていますが、果たして静止画撮影に関して写真愛好家の期待に沿うカメラとなっているでしょうか。じっくりチェックしたいと思います。 【写真】「X-T5」と比べると、「X-M5」がいかに小さいか分かると思います
■Xシリーズの中でもコンパクトなボディは好印象 まず手に取って驚くのは、コンパクトで軽量なこと。ファインダーを搭載していないこともありますが、切り詰めたタイトなボディシェイプで、APS-Cフォーマットのミラーレスとしては小型軽量な部類に入ります。キットレンズで沈胴タイプの「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」や、パンケーキタイプの「XF23mmF2 R WR」などの組み合わせであれば、バッグの片隅など楽々入ってしまうほどで、持ち運びは苦になりません。
コンパクトなボディゆえ一層目立つのが、トップカバーにある2つのアナログダイヤル。シャッターボタン側にモードダイヤルを、反対側にフィルムシミュレーションダイヤルを配置します。なかでもフィルムシミュレーションダイヤルは、先に発売した「X-T50」で初搭載したもので、直感的そして速やかにミュレーションが設定できとても便利。本モデルのメインターゲットとするビギナーやライトユーザーでも、手軽にフィルムシミュレーションの多彩な仕上がりが楽しめそうです。搭載するシミュレーションは全部で20モード。そのうち「ACROS」と「モノクロ」はYe(イエロー)/R(レッド)/G(グリーン)のフィルターを付加したものも選択できます。 一方、モードダイヤルには前述のように動画撮影に軸足を置くカメラらしく、Vlogモードを搭載。細かな設定なしに動画撮影が楽しめますので、日々の出来事をインターネットで発信したい人だけでなく、記録して残しておきたい人にも便利に思えます。ちなみに液晶モニター(3インチ/104万ドット)は、自撮りを考慮したバリアングルタイプとなります。