江原啓之「順番で自治会役員になったが、休日がつぶれ負担大!理由を作って辞める?頑張って続ける?どっちが幸せぐせか」
◆メリットにも目を向けて 人とのコミュニケーションが稀薄な現代社会において、自治会というコミュニティは必要ない、各自がそれぞれにやればいいという人もいるかもしれません。しかし、本当にそうでしょうか? それぞれが勝手なルールで生活して、住みやすい町は成り立つのでしょうか? たかが自治会やご近所付き合いといえども、その人の生き方や人間性が表れるものです。 小学生のとき、掃除当番や給食当番が面倒でイヤだったという人はいますよね。子どもの頃なら、先生から「掃除当番ですよ」と決められれば、我慢して最後までやらなければいけなかったでしょう。けれど、大人になって先生のような強制力を持った人がいなくなったからやらない、と主張しているだけのように思えてなりません。そんな自分勝手な言動をとるのは、大人になりきれていない証拠。 私は、役員として自治会に参加するメリットもあると思います。というのも参加して意見を出したほうが、自治会に対する不満は少なくなるからです。もし役員のなり手がいなくて、同じ人が長年続けた結果、いつのまにか運営が私物化されていたら? マンションの理事会による共用部分の管理がずさんで、必要のないところまで修繕してしまっていたら? こうした苦情を、私は実際に聞いたことがあります。自分が役員として参加していたら、住民から集めた自治会費の使われ方や修繕業者の選定なども、ある程度わかるはず。行事や会議に参加するのは大変かもしれませんが、「勝手に決められた」という不満はなくなるでしょう。なかには、マンションの理事会で意見を述べたり、アイデアを出したりと積極的に参加して、マンション全体のルールを変えたという方もいます。 たとえば、自治会長さんが市議会議員で顔が広く、困りごとの相談に乗ってくれた。お店を始めることになり、町内会の人がお客として来てくれたり、宣伝してくれたりして助かった。自治会を通して地域の人と交流を深めれば、こうした嬉しい出来事も大いにありうるのです。 ただし、役員の任期がない場合は、あまりに負担が大きいですよね。そうしたときは、役員在任中に当番制を提案してみてはいかがでしょうか。もしかしたら「短い期間ならやってもいい」と、手を挙げる人が出てくるかもしれません。共助のためにも、近所の人とは付かず離れず、ほどよい関係を続けるのがベストです。ですから、期限までは頑張って最低限の役割をまっとうするのが幸せの道と言えるでしょう。 (構成=やしまみき)
江原啓之