iDeCo改正で70歳まで加入年齢が引き上げ? 変更に伴うメリットと注意点
4.iDeCoを運用するときに注意したいポイント
iDeCoには、メリットだけではなくデメリットやリスクも存在しますので十分な検討が必要です。この章では、iDeCoを運用する時に発生するリスクや注意したいポイントについて解説します。 (1)原則60歳まで運用中の資産を自由に引き出すことができない iDeCoは老後の資産形成を目的とした制度のため流動性が低く、原則として60歳までは中途解約をして資産を引き出すことができません。 将来的に中途解約の可能性があるのであれば、いつでも自由に解約をして資産を引き出すことが可能なNISAを検討するなど、制度をよく理解したうえで比較検討をする必要があります。 (2)各種手数料がかかる iDeCoを利用する際には、下記の各種手数料がかかります。 ●新規加入時 国民年金基金連合会に対して加入・移換時手数料 ●運用期間中 国民年金基金連合会に対して収納手数料 信託銀行などの事務委託先金融機関へ事務委託手数料 金融機関へ運営管理管理料 ●給付時 信託銀行などの事務委託先金融機関へ給付手数料 これらの手数料額はどの金融機関でも変わりませんが、運営管理手数料(口座管理手数料)の金額は金融機関によって差があります。 また、投資信託を選んだ場合にはさらに信託報酬などもかかってきますので、低コストの金融機関を選ぶのもポイントです。 (3)運用状況によっては元本割れのリスクがある iDeCoでは、投資信託などの金融商品を選択した場合、運用状況によっては、運用した合計額が掛金で支払った購入代金合計を下回ってしまう「元本割れ」をしてしまうリスクがあります。 正しい商品を選ぶポイントとしては、どこまでリスクを許容できるのかというところです。 元本割れを恐れている場合には「元本確保型」の商品である定期預金、信託報酬などの手数料コストを抑えたい場合には株価指標などに連動した投資信託である「インデックス型ファンド」、投資先を選ぶことができない場合には分散投資型の投資信託である「バランス型ファンド」などを選ぶことが一般的となっています。 ただし、元本確保型の商品はリスクが少ないぶん運用益が期待できず、元本確保型のみを運用した場合、手数料が運用益を上回ってしまうこともあるので注意が必要です。 (4)自分のライフスタイルに合った受け取り方法を選択する必要がある iDeCoで積み立てた資産は、60歳以降に「一時金」「年金」「2つを組み合わせる」という3つの方法で受け取ることができます。 一時金で受け取る場合には「退職所得控除」、月々の年金で受け取る場合には「公的年金控除」が適用され、どの受け取り方法も一定額までは非課税となるという税制優遇があります。 どの受け取り方法にも、ライフスタイルや老後のプランによってはメリットとなる面もあり、デメリットとなる面もあります。 これら3つの方法の中から、自分が求めているライフスタイルや理想としている老後のプランに対して最も適した受け取り方法を検討して選択しましょう。