iDeCo改正で70歳まで加入年齢が引き上げ? 変更に伴うメリットと注意点
3.iDeCo改正によって得られるメリット
この章では、iDeCoの制度が改正されることによって得られる3つのメリットについて具体的に解説します。 (1)長い期間で老後資金を積み立てることが可能になる iDeCoへの加入年齢の上限が70歳未満まで引き上げられた場合、現在より5年間分の積み増しが可能となります。60歳以降も会社員や公務員として働き厚生年金を支払っている、あるいは、60歳以降も国民年金に任意加入して支払っている場合には、69歳(現在は64歳)までiDeCoに加入できます。 たとえば、企業型DCのない会社員が掛金上限額の23,000円/月を5年間積み立てた場合、23,000円/月 × 12カ月 × 5年間 = 138万円となり、現在より138万円分多く積み増しをすることが可能です。 しかも、その間の掛金額は非課税で、受け取り時の給付金にはさらに運用益分も加わるため、より効率よく積み立てできることになります。 (2)ライフプランに合わせた資金運用が可能になる iDeCoの改正によって受給開始年齢を75歳以降まで遅らせることができるようになった場合、現行の制度よりもライフプランに沿った柔軟な資金運用計画を立てられるようになります。 公的年金の繰り下げ受給は75歳まで可能となり、受給開始を1カ月繰り下げるごとに年金額は0.7%増額します。 60歳以降も働いている場合や多額の退職金がある場合には、すぐに給付金の受け取りを開始せず、最大限まで繰り下げた年金受給の開始年齢まで非課税の資金運用を続けておくようなプランの検討も可能です。 (3)所得控除などの税制優遇をより多く得られる iDeCoの改正によって掛金上限額がさらに引き上げられた場合、これまでよりも多く拠出をすることになるため、掛金額に応じて所得税控除の額も上がります。 また、掛金に応じて運用益も上がり、その運用益は非課税となるため、これまでよりもさらに多く税制優遇のメリットを得られるようになります。