「藤原が来ました!」日テレアナも思わず絶叫…24年前の箱根駅伝 “三つ巴の5区”の結末は? 天才に挑んだ“雑草ランナー”「勝ち筋はあると思って…」
レース後にかかってきた「一本の電話」
レース後、宿に戻って肩を落としていた大村に、コーチ伝いで一本の電話が入った。 電話の主は、2区を走った徳本一善(3年)だという。 良くも悪くもシビアな実力主義を標榜していたチームの大黒柱だ。シーズン途中で一度はチームを離れた大村に、どんな想いを抱いていたかは定かではない。ただ、少なくとも大村の中では、今日の自分が大エースの期待に応える走りだったとは思えなかった。 「結局、タスキをもらった順位を守れなかったわけですから。責めはしないまでも『惜しかったですね』とか、そういう感じのことを言われるだろうと思っていたんです」 ――抜かれてしまってごめん。 そう伝えた大村に、徳本は意外な言葉を返してきたという。 「本当にお疲れ様でした。よく、あんなに粘れましたね」 その口調は、どこか嬉しそうな、誇らしそうなものだった。 それは大村にとって、なによりの労いの言葉だった。
(「箱根駅伝PRESS」山崎ダイ = 文)
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