エヌビディア株は「買いの好機」、バンク・オブ・アメリカが指摘
米半導体大手エヌビディアの株は、最近の下落によって「買いの好機」にあるとバンク・オブ・アメリカのアナリストが指摘した。 ビベク・アーヤ率いるバンク・オブ・アメリカのアナリストは、エヌビディア株に対する最高評価を維持し、目標株価を165ドルに設定した。彼らは、先週の高値から水曜日にかけて15%以上下落した同社の株が、「魅力的な買いのチャンス」にあると述べている。 アーヤによると、エヌビディア株の下落は、人工知能(AI)向けの最も有名なチップを製造する同社が、いくつかの逆風に直面していると投資家が考えていることで生じている。 同社に向けられた懸念には、生成AI向けの次世代GPUであるBlackwell(ブラックウェル)の出荷の遅延や、マクロ経済環境の悪化による需要の低迷、さらには、同社が米司法省から反トラスト関連の調査で召喚されたとの報道が挙げられる(ただし、エヌビディアは後にこの件を否定している)。 バンク・オブ・アメリカのアナリストは、ここ最近のハイテク大手に対する政府の調査を引き合いに出して、司法省の調査がエヌビディアに「重大な影響を与えることはない」と述べている。 エヌビディアの株価は、5日に2%上昇して108ドルをつけたが、前週の28日の終値からは14%安となっている。 バンク・オブ・アメリカが設定した165ドルの目標株価は、同社の時価総額が4兆ドル(約573兆円)に達することを意味するが、この額は、アップルが7月に達成した史上最高額の3兆6000億ドル(約516兆円)を超えている。5日時点のエヌビディアの時価総額は2兆7000億ドル(約387兆円)で、アップルとマイクロソフトに次ぐ3位となっている。 ここ数年のAIブームの勝者であるエヌビディアは、ウォール街で最も注目の銘柄となっており、62人のFactSetのアナリストたちは、誰一人として「売り」の評価をつけていない。 同社の株は向こう1年の売上高見通しに基づく株価売上高倍率(PSR)が25倍と、S&P500種株価指数の構成銘柄の中で最も割高となっており、一部の慎重な投資家に警戒心を抱かせている。しかし、エヌビディアの今会計年度の売上高は、5年前を1000%以上も上回る1250億ドル(約18兆円)に達すると予想されており、この高い成長率が今後も続くと投資家が考えるのも無理はない。
Derek Saul