PGAツアー最多アンダーで優勝した松山英樹のドライバースウィングをAIで分析
スウィング動画をAIによる3D解析技術でデータ化することができる、コーチ専用のゴルフスウィング解析アプリ「スポーツボックスAI」。このアプリを活用しているゴルフコーチ・北野達郎にPGAツアーの最多アンダーで優勝した松山英樹のスウィングを解説してもらった。 記録的なスコアで優勝した“世界のヒデキ”のドライバースウィング!
こんにちは。SPORTSBOX AI 3Dスタッフコーチの北野達郎です。今回は2025年PGAツアー開幕戦の「ザ・セントリー」に優勝しました松山英樹選手のドライバースウィングをスポーツボックスのデータとともに解説していきます。以前にも松山選手のスウィングを分析させて頂きましたが、今回は後方アングルからのスウィング分析です。後方アングルから見た松山選手の特徴は、 ①スウィングのキーポジションで、クラブと手がほぼ重なる ②クラブがプレーン上に沿いやすいスクエアグリップ ③わずかにインサイドアウトのスウィング軌道 の3点です。それでは早速チェックしてみましょう!
新しいデータ項目「クラブヘッドと手の前後差」とは?
まず最初に、後方アングルからチェックできる新しいデータ項目について解説させて頂きます。クラブヘッドと手の前後差を表す「CLUBHEAD TO HANDTHRUST GAP」は、手よりもクラブヘッドが前方(アウトサイド)に上がると数値はプラスに、手よりもクラブヘッドが後方(インサイド)に上がると数値はマイナスになります。 後ほど詳しく解説しますが、松山選手の特徴は「クラブヘッドと手の前後差」が、キーポジション(※)で常に前後差が少ないことです。このクラブヘッドと手の前後差が少ないほど、クラブがプレーン上に沿っていくので、ショットの精度は高まります。ショットメーカーの松山選手らしい特徴です。 ※今回のキーポジションはP2(テークバックでクラブが地面と平行)、P4(トップ)、P6(ダウンスウィングでクラブが地面と平行)の3ポジションです
スクエアグリップの松山選手は、キーポジションで常にクラブヘッドと手の前後差が少ない
続いてトップとダウンスウィングを比較しましょう。クラブヘッドと手の前後差は、トップでプラス13.6cm、ダウンスウィングでマイナス6.3cmです。先程のテークバックもそうですが、松山選手はテークバック、トップ、ダウンスウィングと、いずれもクラブヘッドと手の前後差が少ないことが特徴です。