Googleが行なった「最高のチームをつくる」調査の意外な結果。メンバーは重要ではなかった
逆に最高のチームにいらない要素とは?
これら5つの要素は、どれも納得がいくものです。 心理的安全性、相互信頼、明確さ、目的意識、自分の仕事に意味があるという認識…これらすべてが、最高のチームに必要な構成要素であることは明らかでしょう。 では逆に、「意味がない」要素とはどんなものでしょうか? Googleのリサーチチームは、社内チームの効率性にそれほど大きな関連がない要素についても、特定しています。具体的には、以下のようなものです。 同じオフィス内で机を並べて働くこと(これは、リモートワーカーが、オフィスで働く人を上回る成果を出していることを示す、さらなる証拠にもなりそうです) 合意に基づく意思決定 メンバーの外向的な性格 メンバー個人の実績 メンバーの役職や在職期間 期待、あるいは必要とされる仕事量 チームの大きさ 最後の項目は、特に興味深いものです。ジェフ・ベゾス氏が提唱してすっかり有名になった「2枚のピザ理論」(1つのチームの人数は、2枚のピザで賄える人数に抑えるべきだという考え方)もありますが、Googleの調査では、チームの大きさとその効率性の間に相関関係は見つかりませんでした。 さらに、長いあいだ効率性の高いチームの特徴と考えられてきた「合意に基づく意思決定」も、効率性とは関係がないのというのです。 けれどもこれも、心理的安全性の観点から考えれば、納得がいきます。 チームメンバーが自分の意見を聞いてくれ、(たとえ同意ができない場合でも)敬意を表してくれるという実感があれば、個々のアイデアや観点について意見が一致する必要はありません。 安心して質問をしたり、異を唱えたり、時に議論を活性化させるためにわざと反対意見を言ったりできる雰囲気がチーム内にあれば、チームの決定に全面的に賛成できなくても、それを支持することはできるはずです。 これこそ、心理的安全性がとても重要な理由です。 自分の価値を評価され、敬意を払われていると感じていれば、チームの一員であるという帰属意識が高まります。「自分は、このチームのかけがえのない一部だ」と自覚します。そうなれば、チーム全体、そして個人の仕事の意味が増します。 自分という一個人の枠を超えた、より大きな集団に属しているという実感──これは、誰もが持ちたいと願うものでしょう。 そして、特にチームを組んで働いている時には、誰もがこうした実感を持って仕事をしたいと思うはずです。 Source: Think With Google, Google re:Work Originally published by Inc. [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
長谷睦(ガリレオ)