Googleが行なった「最高のチームをつくる」調査の意外な結果。メンバーは重要ではなかった
メンバーよりも協力の仕方がカギ
この調査でわかったのは、重要なのはチーム全体がどう機能しているかであって、それに比べると、チームを構成するメンバー自体は重要度が低い、ということでした。 Googleの説明によれば、チームは「特定のプロジェクトのために仕事を計画し、問題を解決し、決断を下し、進捗をチェックする」ために、お互いに頼りあう部分が大きく、それゆえに「タスクを完遂するためにお互いを必要として」います。 そのため、チーム内の力学のほうが、個々のメンバーのスキルセットやものの見方、性格、背景よりもずっと重要になるというのです。 リサーチチームは、真に重要なのは「誰がチームのメンバーであるか」よりも、「チームがどのように協力しているか」であることを突き止めました。 ここが肝心なポイントです。「完璧な」従業員を見極めて雇える能力やリソースを持つ企業はほとんど存在しません。この傾向は、特に小規模な企業の場合に顕著です。 たとえベストなチームであっても、チームを構成するそれぞれのメンバーは完璧ではありません。 私がこれまで働いた中で、最高だった製造管理チームを例に挙げましょう。 メンバーのスティーブは、常にほかのメンバーを励まし、背中を押して、「アシスト役」に徹していました。 リーは決してミスをせず、まだ駆け出しのメンバーを助け、壊れたものがあるとすぐに修理して、また動くようにしていました。 (私と同じ名前の)ジェフは、私たちを1つにまとめる「のり」のような存在で、製造ライン上のもっとも信頼性が低い機械からも、驚きの稼働率を引き出すと共に、私たちチームメンバーにとって「品質を維持するための良心」の役割を果たしていました。 ダグは落ち着きがないのですが、不安に思う気持ちを逆にエネルギーにして、後れをとってもすぐに追いついていましたし、ライン末端の従業員が目標をキープできるように取り計らっていました。 私が、このメンバーのなかで能力が劣っていたのは間違いありませんが、そう思われるのがどうしても嫌だったので、能力以外の部分で、できるだけ多くの場面で役に立てるよう努力しました。 個々のメンバーで見ても、私たちは平均を上回っていましたが、チームになると、働いていた建物の中で一番生産性の高い集団でした。 私たちがチームとして機能するあり方、すなわちチームの「規範(norms)」は、Googleが発見し、公開した、もっとも力を発揮するチームの規範とぴたりと一致します。 以下では、この規範の具体的な要素を、重要度の高い順に解説していきましょう。