3人の娘の父で「バズる大使」として話題の駐日ジョージア大使、日本のお弁当文化に感動。「お弁当は家庭の一部をそれぞれの場所に持って行ける愛の箱」
日本のお弁当は高度! ジョージアにはない食文化
大使が日本で暮らし始めたのは4歳のとき。日本の食文化にも詳しいです。 伊丹 大使が「ハチャプリ」というジョージアのパンの作り方を紹介している動画を見ました。 大使 「ハチャプリ」はチーズ入りのパンで、ジョージアの代表的な料理です。小麦粉、ヨーグルト、塩など日本にある材料で作れます。動画では、私の母が作っていたわが家に受け継がれているハチャプリの作り方を紹介しました。私の娘たちも大好きで、よく作っています。「パパのハチャプリが一番おいしい!」と言ってくれるので、リクエストされたら喜んで作っています。 簡単に作れて、本当においしいのでぜひ作ってみてください。 伊丹 SNSで、手作り弁当のことも発信されていましたが、ジョージアではお弁当を作る習慣はないのでしょうか。 大使 日本の食文化で私がすばらしいと思うことの1つにお弁当があります。ジョージアでは、日本のようなお弁当を作る習慣はないです。ピクニックなどに行くときは、先ほど紹介したハチャプリを持って行ったりはしますが、日本のようなお弁当ではありません。 私は、外食があまり好きではなく、アレルギーもあるので気軽に外で食事ができないんです。そのため、お昼ごはんにいつも困っていました。食べない日もありました。ある日、妻に「何かランチを持たせてくれない?」と言ったころ、ジョージア式にプラスチックの容器にパンやチーズなどを入れて持たされました。 私としては「ちょっと違うな…」とがっかりして、日本のお弁当の写真をたくさん見せて「日本には、こういうお弁当文化があるんだよ」と伝えてみました。すると、妻はお店に行って店員さんにお弁当作りに必要なものを聞いたらしく、数日後、愛妻弁当を作ってくれたんです。お店の人に教わったのでしょう。お弁当箱もちゃんとナプキンで包まれていました。 外国人から見ると、日本のお弁当ってごはんとおかずが分かれていて、おかずが何種類も入っていて、すごく高度なんです。 お弁当ってふたを開けるときの楽しみや作ってくれた妻への感謝など、お弁当を通して、妻のことを思えるのがいいですよね。今では妻も「お弁当は家庭の一部を、それぞれの場所に持って行ける愛の箱」と言っています。 お話・写真提供/ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使 取材・文/麻生珠恵 たまひよONLINE編集部 「ジョージアってどこにある国?」と思った人もいるのではないでしょうか。ジョージアは、ロシアやトルコに隣接している国で、面積は日本の5分の1。人口は約370万人です。民族衣装のチョハの胸元には銃の弾薬、ベルトには剣をつるす装飾がされていて、ジョージアの戦いの歴史を表しています。ティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使は「ジョージアのことを、もっと多くの人に知ってほしい」と言います。