日本記録保持者も実践! 科学的根拠に基づく坂ダッシュの方法とは?
30秒の坂ダッシュでは解糖系と呼ばれるエネルギー供給の割合が高くなり、これが最大酸素摂取量の向上に寄与します。それを4分の休憩で繰り返すことで2本目以降は解糖系の割合が11~42%多くなるため、より効果が高まるのです。ダッシュの時間や休憩時間が長すぎても短すぎても効果が下がるため、「坂ダッシュ30~40秒を休憩4分」で行うのがベストだと考えています。
注意点としては、こういったスプリント系のトレーニングをしすぎるとランニングエコノミーが下がる可能性が指摘されています。具体的には地面を強く踏むクセがつきやすく、それが長い距離になるとロスになるのだと考えられます。このため、フルマラソン直前に行うのではなく、本命のレースまでは日数がある春先から夏までの間に取り入れるのが良いでしょう。 (環太平洋大学 吉岡利貢先生)