「余命1週間」といわれた金魚、病気を乗り越えて…10カ月生き延び虹の橋を渡る「いろんな縁や出会いを繋いでくれた」飼い主は感謝しかない
懸命のお世話をしたが、今年4月に金魚の体に異変
――それでも、今年4月に入り雪ちゃんの体に異変が起きたとのこと。 「はい。前回11月に体調を崩した時と全く同じ病気にかかりました。うろこが逆立つ松かさ病と、体が赤く充血する赤班病、お腹に水が溜まる腹水病といわれる病気を併発した状態です。これらの症状はみな、水中に存在する常在菌への細菌感染によって引き起こされるといわれています。元気そうに見えていた雪ちゃんでしたが、やっぱり変わらず免疫が弱く、何らかの細菌感染を起こしたのだと思います。 4月14日の朝から雪ちゃんのうろこがわずかに開き始めました。2日目の夜あたりから少し両側のお腹が赤いような気がして、3日目にははっきりと赤くなって。4日目にはお腹が大きく膨らんできて腹水が溜まってきたことが分かりました」 ――急激な悪化ですね…。 「金魚の感染症は敗血症まで進んでしまう前に何とかしなくてはいけません。敗血症になるとそれは死に直結するからです。そこで冷蔵庫の中に保管してあった注射薬を取り出し、緊急で注射しました。急激に悪化している場合は、薬浴や薬餌でのんびり治療している場合ではなく、即効性のある注射による治療が必要でした。 5日目にも注射をしました。ところが、この日の夜になって、昨日注射を刺した部位が真っ赤にはれてきました。その後、この日の午前中に刺した注射部位も後を追うように真っ赤になりました。6日目、本来は3日続けて注射を打たなければならないのですが、打つことができませんでした。注射の部位も、お腹も真っ赤にはれ上がり、うろこも驚くほど逆立っていました。えさに薬を混ぜて内服させて、ゆっくりでもいいから効果が出てくるのを待つことにしました」 ――息を引き取ったのは、異変が起きてから7日目。最期は。 「この日、雪ちゃんは朝からぼーっとして動きが非常に鈍い状態でした。通常金魚は死期が近づくと呼吸が乱れます。姿勢が崩れて横になって浮くか沈みます。雪ちゃんは姿勢をしっかり保っていたし、呼吸の乱れもなかったので、夫とも、水さえきれいに換えていれば治るだろうと話して雪ちゃんを眺めていました。でも午後3時に雪ちゃんが水槽カーテンの向こうに隠れて出てこなくなったので、見に行くと呼吸が止まっていました。少しだけ、体が斜めになって浮いていました」