〈年末年始の休暇トラブル〉アルバイト“休むなら代わりを探して”は違法…代わりが見つからないときの対処法
「奇跡の9連休」と呼ばれるほど、休日の並びがいいこの年末年始だが、“バイトを休みたいなら代わりを探せ”と代替要員を探すよう店側から強要されて困惑するバイト学生も多いようだ。年末年始にありがちなバイトトラブルについて、東京法律事務所の笹山尚人弁護士に話を聞いた。 【画像】「代わりを探す」が暗黙のルールになっている職場もあるようだ
“休むなら代わりを探して”は違法?
流行性ウイルスも蔓延しやすい年末年始。この時期は、寒さも厳しく体調不良で突然アルバイトを休まざるを得ないこともあるだろう。 学生は特に、帰省のため年末年始のバイトの希望シフトを提出しなかったり、有給休暇を申請しようと考えたりする人も多い。 そんなとき、店側からよく聞かれるのが「休むなら代わりを探して」というセリフ。 実際に言われた経験がある人も多く、休みの申請時に「代わりを探す」という暗黙のルールが当たり前になっている職場もあるようだ。 しかし、このように代替要員をバイトスタッフに強要する行為は違法とされていると笹山氏は語る。 「違法には大きく分けて二つのケースがあります。一つは、法律に直接違反している場合。そしてもう一つが、契約に含まれない内容を強要する場合です。 今回の“休むなら代わりを探して”という要求は後者に該当し、契約上の義務に含まれていないため、違法とみなされます。 雇用主と従業員の間で結ばれる契約は職場によって異なりますが、一般的に、休む際に代替要員を探すことを労働者に義務づける契約はほぼ存在しません。 たとえ職場の慣習であっても、それが契約書に明記されていない内容を、従業員に強要することは許されません」(笹山氏、以下同) 代替要員をバイトスタッフに強要することが、契約上の義務に該当しないのはなぜだろうか。 「労働契約とは、あくまでも約束した労働日、労働時間、求められる仕事の内容を遂行することが従業員側の本質的な義務。 やむを得ない事情で働けなくなった場合に、同等のスキルを持つ労働者を探すことを従業員に求めるのは難しいとされています。 そのため“代わりを探す”という行為そのものが、契約上の義務外の要求であり違法性が問われるのです」