流星群が極大を迎え、金星と「火星のライバル」が共演する今週の夜空
今週は「紫金山・アトラス彗星(C/2023 A3)」とオリオン座流星群の共演で幕を開け、週末には宵の明星とさそり座の赤色超巨星アンタレスが並ぶ様子が楽しめる。週半ばの見ものは、月と火星、ふたご座の星々が織りなす美しい光景だ。 【画像】極大を迎えたオリオン座流星群 10月第4週の夜空の見どころをまとめた。 ■10月21日(月):オリオン座流星群が極大 オリオン座流星群は21日午後3時ごろに極大を迎えた。この前後数日間が流星群の見ごろとなる。ハレー彗星が太陽系を通過した際に軌道上にばらまいた塵や破片が、1時間に10~20個、最大で40個ほどの「流れ星」となって夜空を駆ける。真夜中あたりに外に出て、30分ほど暗さに目を慣らしておくと見つけやすくなる。あまり明るいとはいえない流星群だが、長い飛跡(流星痕)を描く傾向がある。 ■10月23日(水):月と火星、ふたご座の「双子星」が大接近 真夜中の少し前に北北東の空を見てみよう。地平線から昇ってくる下弦直前の半月が、ふたご座の1等星ポルックスと2等星カストルのすぐ近くに見えるはずだ。月の下方に火星が輝き、右斜め上を見上げると木星が光っている。木星のそばにはオリオン座の三つ星と1等星ベテルギウスが見える。 ■10月24日(木):月と火星と双子星の共演再び 真夜中直前に、もういちど北北東の空を見上げてみてほしい。ふたご座のポルックスとカストルのすぐ下に、火星と下弦の月が見えるだろう。 ■10月26日(土):金星とアンタレスが接近 日没後まもなく、南西の低空を見ると、さそり座で最も明るい星アンタレスの間近に金星が輝いている。太陽の12倍の質量を持つ赤色超巨星アンタレスは、観測史上最大級の恒星のひとつだ。オレンジがかった赤色をした星で、双眼鏡を使うと色がはっきり見える。この色合いと、2年2カ月ごとに火星と接近することから、「火星のライバル」の異名をとる。その大きさは、太陽系の太陽と置き換えた場合、木星の軌道あたりまで覆ってしまう。
Jamie Carter