思い出のVHSも見られない? “テープメディア終焉”の危機がせまる「2025年問題」を考える
DVDも安心できない
00年代初頭には、DVDに記録するカメラも流行った。「うちはディスクだから安心」と思われるかもしれないが、DVDやBlu-rayのレコーダーやドライブももはや風前のともしびである。JEITA(電子情報技術産業協会)が公開している民生用電子機器国内出荷統計によれば、Blu-rayプレーヤー/レコーダーは19年から前年割れし始めており、それ以降は前年比8割前後で減少を続けている。早ければ5年、遅くともあと10年程度でレガシーメディアの仲間入りとなるだろう。今動く機器があるうちに、デジタルデータ化しておくべきだ。 同じ理由から、テープメディアからディスクメディアへダビングするのはナンセンスだ。また5年後に、今度はディスクからファイル化へと似たような作業を繰り返すことになる。 ダビングサービスを利用する場合、テープからDVDなどのディスクメディアへダビングしてくれるケースが多いと思うが、この場合はDVD Videoフォーマットではなく、単純にデータとしてMP4などにしてもらった方がいいだろう。DVD Videoフォーマットにしてしまうと、再生にはDVDプレーヤーが必要になるし、PCへのデータ取り込みも、昔懐かしの「リッピングソフト」をもう一度探す羽目になる。 データ化したら、それは大手クラウドストレージサービス2つぐらいにアップロードしておくことを提案したい。頑張って自分でHDDなどに保存するという方もいらっしゃると思うが、どこかにやった、壊れて読み出せない、インタフェースが合わなくなった、間違えてフォーマットしたといったことが起こりうる。 保存が終了するのは、あなたの寿命が尽きるまでだ。それを考えれば、自分よりも寿命よりも長く生き残りそうな企業のクラウドに預けた方が安全である。仮にクラウドサービスが終了することになっても、突然アクセスできなくなるということはないだろう。多くの場合は事前にサービス停止がアナウンスされ、移行期間が設定されるはずだ。