それぞれの夢を胸に歴史的快挙に挑む2人のヤング女子ボクサー並木月海と入江聖奈…W金メダルもある!
すでにライバルを4人リストアップし対策を重ねた。最大の敵は五輪のアジア・オセアニア予選の決勝で2-3で敗れた中国のチャン・ユアンだ。メダルを確定すべき準決勝でぶつかることになる。 「アジア予選でも1、2ラウンドは取っていた。相手はベテラン。3ラウンドはうまくやられた。そこに付き合わずに自分のボクシングをやれば勝てると思う」 東京五輪出場が夢から目標に変わる転機となった試合がある。 2017年10月の愛媛国体。花咲徳栄高から自衛隊体育学校に入って1年目の並木は、当時、五輪出場の最有力候補と言われていた和田まどかに敗れた。 「もう辞めようか」と思った。母に相談すると、辞めろとも続けろとも言わず「自分で考えなさい」とだけ言ってくれた。 「高校時代は公式戦で負けなしだった。でも負けを経験して勝ちたいという気持ちが湧いた。母の言葉があり、自分のボクシングをどうしたいかを考え、ボクシングへの向かい方が変わった。自分で考えて行動しないと目標は達成できない。五輪に出たいと思ったんです」 それまでは与えられた練習をこなすだけだった。休みの時間も、コンディショニングに気を使い体のケアや食事も考えるようになった。 並木が急成長したのもそこから。強くなるための必要条件を理解し手にし始めたのである。 リングを離れると女子力が強い。お菓子作りが得意で、この前も友達の誕生日に生チョコタルトを作った。「作っているときって何も考えない。そういう時間が好き」。それがリフレッシュになっている。好きな俳優は綾野剛。綾野が主演したテレビドラマ「空飛ぶ広報室」を繰り返して見ているという。 25日の初戦の相手はウガンダのキャセリン・ナンジリ。好戦的な選手だが、粗さがあり並木が自分のスタイルを貫くことができれば負ける相手ではない。 「自信はある。今の心境は楽しみ。最高の舞台で最高の試合をしたい」 開会式には参加しなかったという。