近鉄HD社長に若井氏 小林会長は取締役相談役
近鉄グループホールディングス(HD)は25日、若井敬取締役専務執行役員(64)が社長に昇格する人事を発表した。都司尚社長(66)は代表権のある会長に就く。長きにわたり経営を主導した小林哲也会長(80)は、取締役相談役に就任する。6月の定時株主総会を経て正式に決定する。 HD傘下の近畿日本ツーリストでは昨年、新型コロナウイルスの受託業務で過大請求した不祥事が発覚し、小林氏の会長退任を含む人事案を撤回するなどの混乱があった。 大阪市内で開いた記者会見で、小林氏は「今後の健全な自助運営にめどが立った」と説明した。問題の対応にも携わった若井氏は「コロナ禍で追い込まれ、利益を上げたい気持ちが働いたのが原因。反省を踏まえて信頼回復を引き続き支援する」と強調した。 若井氏は「持続的な成長を遂げるよう全力を尽くす」と抱負を述べた。 若井 敬氏(わかい・たかし)京大卒。83年近畿日本鉄道(現近鉄グループHD)。21年から近鉄グループHD取締役専務執行役員。愛知県出身。