【新人記者・栗栖歩乃花のトレセン日記】 　９月のデビュー戦（新潟芝外１８００メートル）でクビ差の２着だったグロスビーク（牡２・田中博）は、ダイナカール→エアグルーヴ→アドマイヤグルーヴと３代でＧⅠ制覇を成し遂げた名牝系の出身。母アドマイヤセプターもオープンまで出世しており、その子供というだけあって注目を集めた初戦は１番人気に支持されました。２着に敗れたとはいえ、後続には７馬身差をつけているのですから立派な成績です。そんなグロスビークの２戦目が土曜東京２Ｒ（芝２０００メートル）に出走するので取材してきました。 「いい心臓」と田中博調教師と飯塚助手は声を揃えます。これがグロスビークの武器。飯塚助手は「厩舎で心拍を取っているのですが、デビュー前から心臓が良くて追い切りをしても（通常の心拍に）戻ってくるのが早いんです」と絶賛します。続けて「使う前からだと今までで一番いいくらいですね」とのコメントも…。 　田中博師は「心臓がいいですから瞬発力というよりは、いいペースでずっと走れると思っているので」と言います。シンプルに「切れより持続型」とも。一連の長所を踏まえて初戦を振り返ってくれました。「前走は自分からハナに行ってるので展開が…とは言いづらいですが」と前置きをしつつも「ドスローな流れになったので、瞬発力を求められるような競馬になりました。より（馬の）パフォーマンスが上がるレースはそういう展開ではない」と言います。心臓の良さを生かし切れなかったことが敗因につながったそう。 　ただ、確かな収穫もあったようで「しっかりした脚も使えるんだと思いました」と田中博師。例え、上がりが速い瞬発力勝負となっても最後まで勝ち馬と競ることができたのは、非凡な素質の証しでしょう。６頭立ての初戦から今回は１１頭立てになるのも好材料ですし、２戦目で必ず勝利をつかんでくれるはずです。