スパーズファンとJリーグファンを繋ぐ旗振り役に!伊沢拓司と考えるJWCの意義【来日記念インタビュー後編】
スパーズは日本でもさらに盛り上げていけるクラブ――。33年ぶりの「遅すぎる」来日を今か今かと待ちわびるトッテナムサポーター、その一人が“東大クイズ王”としてお馴染みの伊沢拓司だ。7月27日に国立競技場で行われるヴィッセル神戸戦を前に、このチームを応援し続ける理由からJリーグワールドチャレンジ開催の意義まで、たっぷり語ってくれたインタビューを前後編でお届けする。 インタビュー 玉利剛一(フットボリスタ編集部) 編集 赤荻悠(フットボリスタ編集部) 写真 鈴木奈保子 ※「それはまるで『キングダム』!?伊沢拓司が語るトッテナムのほっとけない魅力【来日記念インタビュー前編】」は関連記事リンクよりご確認ください。
プレミア、Jクラブ、NEXZのファンを巻き込んで
――ここまでトッテナムの話をお聞きしてきましたが、『明治安田Jリーグワールドチャレンジ2024powered by docomo(以下、JWC)』についてもご意見を伺いたいと思います。2023年からスタートした「Jリーグ王者 vs 欧州強豪クラブ」という構図の親善試合には、どのような開催意義があると感じていますか? 「まずシンプルに世界トップクラスのプレーを日本で見られるというのはすごいこと。僕は日韓ワールドカップでサッカーにハマった人間ですし、相次いで海外クラブが来日して注目を浴びるというのは非常に価値があることだなと思っています。 以前、パリ・サンジェルマンが来た際にはTBSさんと一緒に様々な施策に関わらせていただいたのですが、やっぱりスター軍団が来日して、いろいろな場所に現れて連日ニュースになるというのは、海外サッカーの露出が必ずしも多くない日本においてはすごく貴重な機会ですよね。とにかくまず情報量が増えることに意味があって、それで子供たちにもサッカーの認知が高まり、そこからエンブレムがかっこいいなでも、あの選手が好きだなでも、アパレルがイケてるなでもいいですし、入口がたくさんあることに意味があるんだと思っています。 日本のクラブからすると、やはり世界との距離を測れるのが良いですよね。昨年もそういう発言を見かけましたが、『こういう局面においては、自分たちも通用する』みたいなコメントをする選手もいるじゃないですか。『フィジカル的な差はあるけど、足下の技術では負けていない』とか。実際、マンチェスター・シティを相手に横浜F・マリノスはうまく戦えていましたし、日本の選手にとっては世界の基準を知る絶好の機会になりますよね。若手も出場機会を得られますし。別にお互いが全力でバチバチにぶつからなくても、プロからすれば実力はわかるわけで、そういう意味では日本の選手が海外に羽ばたいていく上で重要なチャンスになっているのかなって。 また、昨年シティを見に行った知り合いが、マリノスのことを好きになったと言っていました。そうやって海外サッカーファンが日本のクラブを好きになることも起こり得るし、欧州勢にとってはプレシーズンマッチでインテンシティが高くないにしても、組み合ってやることに大きな意味があるんだなと感じましたね」 ――昨年の横浜F・マリノス対マンチェスター・シティは国立競技場に 6万人以上の観客を集めました。一方で動員に苦戦する会場もあり、数ある来日マッチの中でも集客面では差が生まれつつあります。JWCの注目を高める上で必要なことは何なのでしょう。 「今回のトッテナム戦では『NEXZ』という日韓合同オーディションから生まれたグループがハーフタイムショーをやってくれるそうですが、それで見に来てくれる知り合いもいるんですよね。推しがライブやるから行こうかなって。その人はブライトンのサポーターなんですが『トッテナムは見たことあるし、推しもくるから見に行こうか』というテンションなわけです。合わせ技一本ですよね。なので、ちょっとしたきっかけ、 背中を押してくれるポイントがあると見やすくて、同リーグのファンなど、来るか来ないかギリギリのラインにいるような人を巻き込んでいくこと、そのための施策、魅力の訴え方というのが大事だと思います。 加えて、ターゲットにするならやっぱりJファンじゃないでしょうか。ヴィッセル神戸をはじめJクラブのサポーターの方に、これは見たいなと思ってもらえるように海外クラブを紹介していく必要がある。僕自身もトッテナムの選手のこういうところを見てほしい、Jのこういうチームや選手に似ている、みたいなことはアピールできるといいなと考えているので、ここから試合当日まで頑張って発信していきたいですね」