スパーズファンとJリーグファンを繋ぐ旗振り役に!伊沢拓司と考えるJWCの意義【来日記念インタビュー後編】
ヴィッセルサポーターともいっぱい喋りたい
――伊沢さんをきっかけに、今夏トッテナムを見てみようと考えている方もいると思います。 「少ないながらもそうしてフットボールを見始めてくれた人はいますし、あとはシンプルにコミュニケーションが生まれますよね。SNSに場があることでスティッキネスが働く、コミュニティを覗いてくれるようになるんです 。明らかにスパーズのファンがこの5年で増えて、SNSコミュニティも大きくなりました。みんなとスパーズの話ができますし、情報が更新されて思い出したように試合を見るから 、スパーズファンで居続けるみたいなことが起こるわけですよ。 となると、JWCの後はヴィッセルサポーターの方ともいっぱい喋りたいなと思いますし『こういう試合だったね、この選手よかったね』みたいな会話が生まれて、次はスパーズを見てみようかとなった時にまた会話の場があると、スパーズのファンにとどまってくれる。逆に我われも神戸のファンにとどまったり、神戸の選手を追い続けたりってことが起こるとすごくいいなと思うので、試合が終わった後、それこそ国立周辺でみんなで語り合える大規模なビアホールがあったりするといいのかもしれないですよね。まずはこのJWCという取り組み自体が、サッカーの面白さをより広く伝えるために、日本のみなさんに認知されるためにすごく意味があるし、来年、再来年に向けてさらなる観戦環境の充実を期待したいです」 ――トッテナム好きの有名人は伊沢さん以外にもいらっしゃるのですか? 「少ないですねぇ。声優の濱野大輝さんがサポーターで、SNSで交流はあるんですけど、リアルでお会いしたことは一度もなくて。やっぱり他クラブのファンが多くて、サッカー好きの方でも“トッテナムは……最近どうなん? ”くらいの認識なんですよね。 やはり遠い国にある、気を抜くとだいぶ連敗したりするようなクラブを応援するのには、胆力が要ります。ある程度自分から情報を取らないと面白いと思えるところまではいかない。だから、情報はファン獲得のためにとても大事です。日本はスパーズジャパンさんの発信があったり、各地のファンダムがあるのでなんとかなってますけど、今回の来日を機にいろいろなファンの方に繋がってほしいなと思いますし、僕にできることもやっていきたいです 。スパーズサポーターにはマイナー時代から見ている大先輩方が多くいらっしゃいますし、noteなどで発信している分析力が高い人もたくさんいて、レガシーはすごくあります。それこそ『スパーズ・ジャパン』は日本最大級のサポーターズクラブであり、過去記事も全部検索できますし。情報は転がっているから、それにうまくアクセスできるような形を作ってあげられたら、スパーズは日本でもさらに盛り上げていけるクラブなのかなと感じていますね」 ――過去に寄稿いただいたfootballistaの記事でも“逆張り派”を自称されていた伊沢さん的に、今大会において独自の目線で注目していることを教えてください。 「やっぱり若手ですかね。若手が出てくる特に試合後半が面白いポイントで、そこで自分だけの推し若手を見つけて今後その成長を楽しむというのもオススメです。トッテナムだとマイキー・ムーア(16歳/FW)とタイリース・ホール(18歳/MF)という素晴らしいU-18のタレントがいてですね。この2人は間違いなく出てくるんじゃないかと僕は思っています。 特にムーアはハリー・ケイン以上に才能を感じるとファンのみんなが口々に言うほどの逸材ですから、この名前は覚えておいてほしいですね。来日する他のクラブでも、例えばニューカッスルでは18歳になったばかりなのにトップチームに馴染んでプレミアの試合にガンガン出ていた中盤のルイス・マイリーをはじめ、生きのいい若手がたくさんいますから。怪我しちゃったんでどうなるかわからないですけど。筋金入りのスパーズサポーターは、むしろ後半の方が嬉しいかもしれない。ユースの選手がのびのびプレーするのを見たいんです。ぜひJのファンにも、10代の若者でもこんなにすごいのかと驚いてほしいし、トッテナムやプレミアリーグに興味を持っている方には、これから見ていく中であなたがドヤれる有望株を青田買いしてもらえればと思います」