「みりん」や「バター」の値段が高いので「風味調味料」を使っています。本物と何が違うのでしょうか?
料理を作る際、コクを出したいときに使われる「みりん」や「バター」ですが、スーパーの調味料売り場には「風味調味料」と書かれたものがあります。「風味調味料」と書かれている方が価格が安い傾向にあるため、節約のために選ぶ方もいるのではないでしょうか。 しかし、実際は「本物」と「風味調味料」で味や成分にどれくらいの違いがあるか分からないという方もいるでしょう。 そこで今回は、「みりん」や「バター」の風味と書かれた調味料と本物の違いについてご紹介します。
みりんとみりん風調味料の違い
みりんとみりん風調味料は料理に使用する際、使い方に大きな違いはありません。しかし、原料には大きな違いがあります。 みりんとみりん風調味料の違いについて、表1にまとめました。 表1
※筆者作成 使用されている原料を見ると、みりんでは焼酎などが使われているため、アルコール分の濃度が異なります。みりんの方がアルコール度数が高いため、子どもが食べるときやアルコールが気になるときは、しっかり加熱してアルコールを飛ばすことが大切です。 アルコール度数が高いみりんは酒税がかかるのに対して、みりん風調味料はアルコール度数が低く酒税がかからないため、価格も安い傾向にあります。さらに原料に水あめが多く含まれているため、甘みを強く感じられることが特徴です。 どちらも、料理に照りやコクを出す調理効果がありますが、みりんの方がアミノ酸やペプチドといったうまみ成分とそのほかの成分が複雑に混ざることによりコクとまろやかな甘みを感じやすいでしょう。
バターとバター風味の違い
バターとバター風味の違いについて、表2にまとめました。 表2
※筆者作成 原料を見ると、バターは生乳と食塩のみを使用しているのに対し、バター風味は食用植物性油脂や着色料などが使用されています。バターの場合はほぼ生乳から作られ、生乳を作り出す牛を育てるのに必要な飼料などのコストが乗っているため、食用精製加工油脂などで大量生産ができるバター風味の商品よりも値段が高くなるようです。 また、バターは味わいや塩気が強く、調理しても香りや味わいが損なわれにくいメリットがあります。一方、バター風味はバターに比べてあっさりした味わいが特徴のようです。 価格はバター風味よりバターの方が高い傾向にあります。しかし、安いからといってバター風味では味が劣るわけではなく、香りも芳醇になっているためほとんどの料理で代用可能です。ただし、香りやコクはバターの方が強く残るでしょう。