レッドブルとアルファタウリも、ホンダ以外の3社のパワーユニットを使用するよりも、ホンダからパワーユニットの技術を引き継いで、2022年以降も使用するほうがベストと考えていた。ただし、現在のF1のパワーユニットは非常に高度な技術を要するため、ホンダのパワーユニットを2022年以降も使用するためには、ライバルとなる3社との開発で差をつけられないよう、開発を凍結するという新たなルールを導入する必要があった。 　開発費を抑えたかったライバルメーカーにとっても、開発凍結は悪い話ではなく、2月11日に2022年以降はパワーユニットの開発を凍結することで合意がなされ、レッドブルにとって、ついにホンダのパワーユニット技術を引き継ぐ準備が整った。 　今後、レッドブルは2022年に向けて「レッドブル・パワートレインズ・リミテッド」という新会社を、チームのファクトリーがあるイギリスのミルトン・キーンズ内に設立し、ホンダから受け継いだパワーユニットを2022年からは新しい名前で搭載する準備を進めることになる。 　また現在ホンダがイギリスに構えているファクトリーで仕事している実働部隊に関しては、ホンダが会社としてF1参戦を終了した後に、希望があれば基本的に転籍する方向でレッドブル側と協議を進めているという。ホンダという名前は2021年で姿を消すが、そのレガシーは2022年以降もF1に生き続ける。 (文責・尾張正博／モータージャーナリスト）