現在は退職金が減っている!? 退職金制度の最新動向とは
長年勤めた企業で定年を迎えるとき、多くの企業では退職金を受け取れます。この退職給付制度は、日本企業独特の慣行といわれています。本記事では、退職金制度や退職金などの現状を見てみましょう。また、自分が将来もらえる退職金はいくらになるか、確認することも大切です。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
退職金制度・退職金の現状
厚生労働省「令和5年就労条件総合調査」によると、退職給付(一時金・年金)制度がある企業の割合は、令和4年(2022年)1年間において、全企業の74.9%となっています。企業規模別に見ると「1000人以上」の企業が90.1%、「300~999人」の企業が88.8%、「100~299人」の企業が84.7%、「30~99人」が70.1%となっています。 ただし、退職給付制度がある企業の割合は、5年前(平成30年)に公開された同調査の結果(平成29年1年間についての調査)では全企業の80.5%であり、そのときに比べて支給する企業がやや減っています。 そもそも退職給付制度は、退職時に一括して退職一時金を給付する「退職一時金制度」と、確定給付企業年金(DB)や企業型確定拠出年金(DC)など、退職後に年金の形で給付する「退職年金制度」で構成されています。 上記調査では退職給付制度を持つ企業のうち、退職一時金のみを持つ企業が69.0%、退職年金制度のみを持つ企業が9.6%、両制度を併用している企業が21.4%となっています。 また、定年退職者1人当たりの平均退職給付額(勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者)は大卒の場合、「勤続35年以上」だと平均2037万円(月収換算で38.9ヶ月)、「勤続30~34年」で1891万円(月収換算で34.5ヶ月)、「勤続25~29年」で1559万円(月収換算で31.5ヶ月)、「勤続20~24年」で1021万円(月収換算で19.6ヶ月)、平均で1896万円(月収換算で36.0ヶ月)でした。 さらに、企業規模別に見た場合「勤続35年以上」という条件下では、「1000人以上」の企業が平均2242万円(月収換算で40.8ヶ月)、「300~999人」で1742万円(月収換算で36.0ヶ月)、「100~299人」で1543万円(月収換算で34.0ヶ月)、「30~99人」で1785万円(月収換算で33.1ヶ月)となっています。