「体のむくみを改善?」「栄養価が3倍も変わる?」知っておきたい野菜の効果的な食べ方
「とくに病気はないはずだが体がだる重い」「午後になるとどっと疲れが出てしまう」 現代人の多くが抱える慢性的な疲労感。実は、その疲れの最大の原因は「食事」にあるのかもしれません。食事内容を見直したり、栄養をしっかり摂ったりすることで、疲れにくい体になれるかも!?そこで今回は、糖尿病・アンチエイジング専門医である牧田善二医師による著書『疲れない体をつくる 最高の食事術』(小学館)から、疲労感を改善する野菜の効果的な食べ方について、少しだけお届けします。 ◇ ◇ ◇
だるさの原因は“むくみ”かも? その原因となる塩分過多には野菜のカリウムで対抗!
体がむくんでいると、だるく感じます。とくに、足がむくむと立っているのもつらいほどの疲労を感じます。 むくんでいるとき、その原因について「水分を摂りすぎたんだ」と考える人が多くいます。そして、むくみが収まるまで水分を控えようとします。 しかし、それをやってはいけません。 私たちの体の60%は水分であり、その水分は細胞の中や外に存在して重要な役割を担っています。新鮮な水をたっぷり摂り、体内の水分をいつも新しいものに入れ替えていくことは、健康維持にとても大切です。水が余れば尿として体外に出るので、むくんでも水はしっかり摂りましょう。 それよりも、気にすべきは塩分です。実は、健常者のむくみの原因のほとんどは、塩分を摂りすぎたことにあります。
私たちの体に存在する血液と体液は、共に約0.9%の塩分濃度に保たれています。余った塩分は腎臓が濾過して尿に出しますが、摂りすぎれば腎臓の濾過キャパシティーを超えます。 すると、血液や体液の塩分濃度が上がりすぎないように、体は水を引き込みます。血液中に水が引き込まれることで、血液量が増え血圧が上がります。一方、細胞の内外にある体液中に水が引き込まれることで、むくみが生じるのです。 ですから、塩分過多でむくんでいるときは、血圧に悪影響が出ているだけでなく、腎臓もひどく疲れていると考えたほうがいいでしょう。 こうしたことからも、普段の食事の塩分摂取量に無関心ではいけません。 2020年に改訂された日本人の一日の塩分摂取量の目安は、成人男性7.5グラム未満、女性6.5グラム未満で、それまでよりも0.5グラムずつ減っています。しかし、それでもWHO(世界保健機関)の基準5.0グラム未満よりも随分多いのです。 しかも、この日本のユルい基準を、多くの人が超えており、一日10グラム以上の塩分を摂っている人がざらにいます。 塩分は、まず摂りすぎないようにすることが大事です。また、摂った塩分を排出することも重要です。 この排出を助けるのが、ほうれん草やにんじんなどの野菜に多く含まれる「カリウム」です。カリウムはナトリウム(塩分)と対になって働き、細胞の中と外で体液の浸透圧を維持し、血圧や体液濃度の調整を行っています。 このとき、カリウムを多く摂ることで、浸透圧の作用で細胞内のナトリウムを体外に排出できるのです。それによって、血圧は下がり、むくみも解消されます。