“最も長期的で困難な社会課題”の解決に向けて…「高レベル放射性廃棄物の処分」における日本と世界の現状を解説
◆今を生きる世代ができることを考えよう
最終処分場の選定には、その土地で暮らす住人との活発でオープンな対話が非常に重要となります。実際に、文献調査が進められた北海道の寿都町、神恵内村でもさまざまな議論がおこなわれています。「処分方法、処分地については、どんな意見でも構いませんので、いろんな意見交換がされることで、より最適な答えが見つかっていくと考えています」と力を込めます。 最終処分事業は100年以上にわたる長期事業です。地層処分に適した地域が日本のどこにあるのかは調査してみないと判明しません。北海道や佐賀県の町や村の方々だけでなく、日本中の地域が関心を持ち、理解を深めていく必要があります。 最後に横手さんは、「日本は過去50年以上にわたり、原子力発電を利用しています。これに伴い、すでに存在している高レベル放射性廃棄物の最終処分は、最も長期的で困難な社会課題の1つです。この課題を未来の子どもたちの負担として先送りしないように、今を生きる世代の責任として解決に向けた具体的なアクションを起こさないといけません。まずは、高レベル放射性廃棄物の最終処分について、理解を深めていただければと思います」と呼びかけました。
番組のエンディングでは、杉浦と村上が今回学んだ「原子力発電によるゴミの最終処分」について復習。2人が特に注目した点をピックアップして発表します。村上は“高レベル放射性廃棄物の最終処分について知ろう”をポイントとして挙げ、「もっとたくさんの人に知っていただくところから始めないといけないなと思いました」と話します。続いて、杉浦は“今の世代で出来ることを考えよう”とスケッチブックに書き、「先送りせず、改めて“今できることは何か”を考え直しながら模索していくのが大事です」とコメントしました。 (TOKYO FM「杉浦太陽・村上佳菜子 日曜まなびより」12月29日(日)放送より)