認知症予防につながる「いつもの食事」のヒント 知っておきたい「卵や肉、魚、発酵食品」の食べ方と選び方
ドイツのベルリン医科大学神経学の研究グループは健康な高齢者に、オメガ3を含むサプリメントを6か月間投与したら認知機能が向上したと報告しています。認知機能の維持にはオメガ3が欠かせません。 ところが、現代人はオメガ3が不足しがち。意識してとる必要があります。さば、いわし、さんまなど青魚はEPA、DHA、どちらも豊富に含まれていて、動脈硬化、認知症予防に役立つ重要な食材です。積極的に食べましょう。 <刺身で食べるのがおすすめ>
EPAやDHAを効率よくとるには刺身で食べるといいでしょう。焼いたり、揚げたりするとせっかくのいい油が調理中に失われてしまいます。煮魚は味つけに砂糖が使われるのであまりおすすめしません。 脳や血管にいいとわかっていても、鮮度が落ちやすく、調理の手間がかかる魚を購入することに躊躇(ちゅうちょ)する人もいるようです。 そんな場合は缶詰を活用しましょう。缶詰は脂がのった時期に収穫して加工しているので、EPAやDHAがより多く含まれています。保存も長期間できるので、常備しておくと便利です。
白身魚ではありますが、EPAやDHAが豊富でおすすめなのが鮭です。アルツハイマー病の患者さんで、不足していることが多いビタミンDも豊富です。身の赤い色素には強力な抗酸化作用があります。 ■日本食は「発酵食品の宝庫」 毎日食べたい必須の食材:発酵食品 微生物のパワーで腸内環境を整える ●腸内環境と脳は関係が深い ●腸内の善玉菌を元気にする発酵食品を積極的に食べよう ●調味料、漬け物、納豆などが代表 発酵食品とは微生物が食品のタンパク質やでんぷんを分解して、別のものにつくりかえた食品の総称です。みそのこうじ菌、漬け物の乳酸菌、納豆菌など、体によい働きをする微生物が発酵食品には含まれています。
日本食は発酵食品の宝庫です。その代表はみそ、しょうゆ、みりん、塩こうじ、酢、酒かす、甘酒などの調味料です。これらは1回に使う量は少量でも、毎食のように使っていれば1日の摂取量は多くなります。 キムチやぬか漬けなどの漬け物も発酵食品です。どちらも、腸内の善玉菌を増やす乳酸菌が豊富で、腸内環境の改善に役立ちます。 乳酸菌はヨーグルトやチーズなど乳製品からとるイメージがありますが、日本人は乳製品をうまく消化できない体質の人が少なからずいます。体質に合わないものを、無理に食べる必要はありません。日本古来の発酵食品を活用しましょう。