大麻に関する最近の5つの発見、心臓病や脳卒中、依存症など「害」の証拠が続々
2. 大麻は無害ではない
大麻の危険性はオピオイド(麻薬や鎮痛剤として働く薬物)のそれとは異なると、大麻を研究する疫学者のデボラ・ハシン氏は述べている。一方で氏は、「大麻は身体的および精神的な健康に多くの影響を及ぼす可能性がある」とも指摘している。 専門家によると、大麻に関して、人々はいくつかの事実を認識すべきだという。まず、現在の品種は、数十年前のものと比べてはるかに強力になっているという点。また、大麻の使用は妄想や偏執症(パラノイア)を引き起こす可能性があり、特に日常的に使う場合は注意が必要である点だ。 大麻には依存症につながるおそれがある。それは決して珍しいことではない。
3. 大麻使用に関連する奇妙な症候群が増えている
大麻の常用に伴う変わった弊害として「カンナビノイド悪阻(おそ)症候群(CHS)」がある。2004年に初めて報告されたCHSは、吐き気、嘔吐、激しい腹痛の繰り返しを特徴とする。米国とカナダではCHS関連で救急外来を訪れる患者の数が2017年から2021年の間に倍増している。 CHSは米国で年間275万人もの人々に影響を及ぼしている可能性があると専門家は推定する。CHSの最大のリスク要因は大麻の大量使用、つまり毎日あるいは1日に複数回の使用を何年も続けることだ。 現在のところ、大麻を完全にやめることが、CHSに対する唯一の長期的な解決策であることが示されている。
4. 大麻は心臓に影響を与える可能性がある
大麻に含まれる精神活性成分のテトラヒドロカンナビノール(THC)は血流にも影響を与えるため、心臓の問題を引き起こす可能性がある。 大麻を常習的に使用する人は、心臓発作や脳卒中などの心血管疾患を発症するリスクが高い。2024年2月に医学誌「Journal of the American Heart Association」に掲載された研究では、大麻を常用する人々では、心臓発作の発生率が25%、脳卒中の発生率が42%増加したことがわかっている。 その原因はおそらく、THCが動脈の血流に影響を与えるためだと考えられている。また、乾燥大麻を吸う人は、THCとともに吸い込まれる粒状物質によって心疾患のリスクが高まる。