男性の「無償労働」への無関心が家事のAI化を遅らせている? 10年後は4割の時短予測でも…日本人エンジニア男性は”関心希薄”
日々、発展し続けるAI技術。アメリカのラスベガスで、最新の技術やサービスを発表する世界最大級の見本市が開かれました。家事のAI化も進むとみられ、「10年後にはAI技術によって家事にかかる時間が4割削減できる」という予測もあります。
10年後はAIで家事が4割時短に?
お茶の水女子大学とイギリスのオックスフォード大学がAI技術についての共同研究で、理工学者やエンジニアにアンケートをとったところ、10年後に家事などの「無償労働」を4割、時間短縮できるという予測が出ました。主な無償の家庭内労働は、買い物や料理、掃除や洗濯、片付けなどが挙げられます。 日本のAI専門家による10年後の予測では、こうした家庭内労働のうち「食料品のショッピング」「食器洗いと片づけ」は時短率52%を達成できるということです。「料理」「家の掃除と片付け」「洗濯と衣類の片付け」も40%を超える時短を見込んでいます。
日本人エンジニア男性は「無償労働」に無関心? 技術の発展に影響も
こうしたなか、調査を行ったお茶の水女子大学の永瀬伸子教授は「聞き取りをしたエンジニア系の日本人男性はイギリス人男性と比べて、『無償労働の自動化』への関心が薄かった」と指摘します。 アンケートに料理、食事の用意をすると回答した割合は、AI開発者のイギリス人男性54%に対し、日本人男性はわずか15%でした。関心が少ないと、AI技術を使って家事の負担を減らそうという考えにも至りません。日本はイギリスよりもAI技術の発達が遅れていますが、これにはAI技術を事業にするという俊敏性が低く、技術発展にも繋がりにくいという背景があると懸念されるということです。
AI技術が発展すればジェンダーギャップ解消も
日本では家庭内労働の負担が女性に偏っている現状を踏まえて、AIなどの開発現場に女性を増やし、ボタン一つで男性が家事に参加しやすい家電を開発することで、ジェンダーギャップの解消にもつながると永瀬教授は主張します。