【有馬記念】菊花賞馬・アーバンシック、史上9頭目となる同一年の菊花賞、有馬記念制覇へ ルメール希望通り2枠3番、武井師「最高ですね」
「第69回有馬記念」(G1・22日・中山・芝2500メートル)の公開枠順抽選会が19日、東京都内で行われた。菊花賞馬でファン投票7位のアーバンシックは2枠3番に決まった。くじを引いたクリストフ・ルメール騎手(45)=栗東・フリー=と管理する武井亮調教師(43)=美浦=は結果を歓迎。3番は最多の10勝を挙げており、ラッキーナンバーを追い風に、史上9頭目となる同一年の菊花賞、有馬記念制覇を目指す。 ◆長澤まさみ、ワインレッドの華麗ドレスでドウデュース“神引き”披露【写真複数】 末広がりの8番目に菊花賞馬のアーバンシックは指名された。2番目で1枠の2席が埋まってしまったオープニング。それでも各馬の動向に、訪れたファンから一喜一憂の声が湧き上がる中、抽選を任されたルメールがボールから取り出した紙をゆっくり広げると、そこから出てきた数字は2枠3番。場内から「オーッ」と驚きの声が上がると、ルメールも大きく口を開けてから満面に笑みを浮かべた。 開口一番、「ユタカさんの隣」と、G1・3連勝でラストランを飾りたいドウデュースと武豊のコンビを意識。そして「アーバンシックも良くなってきています。菊花賞もいい競馬をしてくれたので、有馬記念もいい走りをしてくれれば」とパートナーの奮闘を願った。管理する武井師も「大きな成長はしていないけど、楽しみです」と不安を全く感じさせない表情を見せた。 1972年のイシノヒカルをはじめに、シンボリルドルフ、ナリタブライアン、オルフェーヴルなど8頭が同一年の菊花賞と有馬記念を制してきた。勝てばスター街道が目前に広がる出世レースであり、大事な大事な登竜門。エスコート役がルメールに代わってから、セントライト記念、菊花賞と2戦2勝の快進撃。その名手に全てを託すトレーナーも、この大一番を心待ちにしてきた。 3番は過去最多の10勝と最高の枠をゲットできた。師は、鞍上が引き当てた枠に「いい枠じゃないかな。僕は希望の枠はなかったけど、ジョッキーが内がいいと言っていたんですよ。1番(ダノンデサイル)、2番(ドウデュース)に有力馬が入って、(その動向が)最初から分かる。スタートさえ出れば、自然にいい競馬ができる最高の枠ですね」と笑顔を見せた。 舞台設定も最高だ。有馬記念が行われる中山では3戦して2、4、1着と安定した成績を残してきた。師は「中山は走っているし、成績も悪くない。(コースを)1周半するのも合うんじゃないかな。パワーがあるから急坂が2回あっても気にならない。もう少し馬場が荒れても良かったけど、逆に内枠に入ったことでいい所を走れるし、それはそれでいい」と歓迎する。 勝って現役最強の証明だ。「内がファン投票1位、2位の馬で、ダノンデサイルには一度負けているので、やっつけたいところ」。ダービーで後塵(こうじん)を拝したライバルを振り払って、現役最強の座をつかむ。
中日スポーツ