草間彌生の日本初公開作品も!ポーラ美術館で開催中の展覧会「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」をレポート
12月14日(土)から、神奈川県・箱根のポーラ美術館で「カラーズ ― 色の秘密にせまる 印象派から現代アートへ」がスタートしました。この記事では、本展のテーマや出品作、会場の様子、さらにオリジナルグッズを紹介します。展覧会の予習・復習にぜひ参考にしてみてください! 【写真集】草間彌生の日本初公開作品も!ポーラ美術館で「色彩」とその表現に注目する展覧会がスタート ※使用している写真は、報道者内覧会にて編集部が撮影したものです。
展覧会について
ポーラ美術館が今回「色彩」を展覧会のテーマに採用したきっかけは、現代を生きる私たちが目にする色の多さから。最新のモニターやスマートフォンにおいては10億色を超える色の再現力をもつといわれており、自然や街並み、家のなかの色などに加えて画面のなかにも色があふれ、これまでの時代と比べものにならないほど、色彩の世界が広がっています。 学芸員の内呂博之さんは「普段生活しているなかで、無意識のうちに画面を通して経験する『仮想の色』に慣れつつあり、体にダイレクトに入り込む『本当の色』を感じる機会が少なくなっているのではないか? そんな観点から、今回の企画が生まれました」と語ります。 本展では、近代から現代までの美術家たちが獲得してきた「色彩」とその表現に注目し、色彩論や色を表現する素材との関係に触れながら、色彩の役割について、今あらためて考察します。
会場の様子は?
会場は、杉本博司さんの「Opticks」シリーズが5点並ぶプロローグからスタート。本シリーズは写真作品ですが、杉本さんは「光を絵の具として使った新しい絵(ペインティング)」と評しています。 【第1部「光と色の実験」】では、近代から現代に至る色彩の美術史を、おもに絵画(平面)や彫刻(立体)によって読み直します。 第1部では、ダン・フレイヴィン 《無題(ドナに)5a》、ベルナール・フリズ《Ijo》を含む3点、ドナルド・ジャッド《無題》、ジャン=ポール リオペル《果肉》が初公開作品となります。 【第2部「色彩の現在」】では、現在国内外で活躍する作家たちによる作品を幅広く紹介。独自の色彩の探究と、色彩による物理的な造形表現を通して垣間見える思想や精神性に注目します。 会場の最後には一室が用意され、なかに入ると草間彌生さんによる日本初公開のインスタレーション《無限の鏡の間 ―求道の輝く宇宙の永遠の無限の光》が。鏡に包まれた空間のなかで、無数の球体がさまざまな色を光らせ、鑑賞者を異空間へと引き込みます。 本展ではこの他、工芸と科学の概念を平面において融合させる手法で作品をつくる伊藤秀人さん、中田真裕さん、川人綾さんによる作品や、ポーラ美術館の新収蔵であるヴォルフガング・ティルマンスや丸山直文の作品などが並びます。