「貢献できていないのでは」と不安だった―Web解析の第一人者・小川卓氏が語る「仕事の軸の見つけ方」
Webサイトによって人生が変わった……
■ [ルール4] 「世の中に良いWebサイトを増やす」ために働く 小川氏は独立する以前から、自分の仕事に対するミッションをもっているという。 ┌────────── 『世の中に良いWebサイトを増やす』が私のミッションです。良いサイトとはユーザーがストレスを感じずに使えるサイトであること。ユーザーがポジティブな体験ができるための施策には、多くの企業が力を入れています。コンテンツを拡充したり、動画を入れるなど情報を充実させるなどです。 しかし、ストレスを感じないサイトにすることはあまり優先順位が高くないと感じています。Webサイトの中で目的のページに迷わずたどり着けるナビゲーションができているか、商品を選ぶためのガイドがしっかりと用意されているかなどです。こうした改善をもっと進めていきたいと思っています(小川氏) └────────── なぜ、小川氏は「世の中に良いWebサイトを増やす」というビジョンにたどり着いたのだろうか。
┌────────── Webサイトはさまざまな情報にアクセスでき、情報発信をすることもできます。しかもそれが安価で実現できる。実は、妻との出会いは私の個人サイトの掲示板に書き込みをしてくれたことがきっかけでした。私自身がWebサイトによって人生が変わった経験をしているので、世の中に良いWebサイトが増えたら一人のユーザーとしてもうれしいです(小川氏) └──────────
小川氏はこうしたミッションや自身の得意とするスキルに照らし合わせて、引き受ける仕事の優先順位を決めているという。 ┌────────── 私の得意な領域はWebサイトの解析なので、たとえばSEOなど自分より違う人のほうが貢献できると思えばお断りします。世の中に良いサイトが増えるためには、私が力を発揮して貢献できる仕事をした方がいいからです。お客様と契約する際も契約期間は短くしています。自分が貢献できることが終わったら、また別の企業のお手伝いをする方がいいと思うからです(小川氏) └────────── 小川氏のように自分の軸をもつことができれば、仕事で選択を迫られたときに適切な判断ができそうだ。現在、自身の軸が明確ではない場合はどのように軸を見つけたらよいのだろうか。 ┌────────── 一番楽しくワクワクすることは何か考えてみてほしいです。どんな仕事をしていても、一つの業務だけをずっとやっていることって実は少ないと思うんです。たとえば、Webマーケターなら解析やSEO、コンテンツ作成などさまざまな仕事をする中で、どの仕事をつい優先してやってしまうかを考えてみるといいでしょう。 仕事で見つからなかったら趣味でもいいと思います。自分の好きなことを情報発信することが大事です。たとえば、ロードバイクが好きでSNSで発信していたら、ロードバイクのYouTuberから声がかかって動画に出演することになるかもしれない。自分の好きなものについて情報発信することは、実は情報収集にもつながります。ビジネスにつながらなかったとしても、好きなものに関わっていたら人生が楽しくなりますよね(小川氏) └──────────