「貢献できていないのでは」と不安だった―Web解析の第一人者・小川卓氏が語る「仕事の軸の見つけ方」
┌────────── 1人でも返信してくれる人がいれば、その人が自分の味方になります。Webアナリストの仕事は自分から社内に情報を探しに行くよりも、相手から相談してもらった方が進めやすいんです。Webサイトについて誰かに相談したいと思ったときに、『小川だったらわかるかも』と思い出してもらえるように情報発信をしていました(小川氏) └──────────
タスクを抱えすぎている人へ
■ [ルール2] 作業負荷を最適化するために、相手の期待値をコントロール アマゾンに入社後は、大学院の客員教授やセミナー・講演などの機会が増えた。副業の収入が本業の半分を上回った頃、自然な流れで小川氏は独立の道を選んだ。しかし、独立当初は仕事を引き受けすぎてメンタルに支障をきたしたこともあり、現在は仕事量の配分にも気を配っている。 現在、小川氏は上場企業の役員や顧問などを務めながら、10~20社ほどの企業から解析の依頼を受けるなど、多忙な日々を送っている。その中で工夫していることがあるのだろうか。 ┌────────── 社内やクライアントから『〇〇のデータを見たい』と要望があったときに、一度見たいだけなのか定期的に計測しなければいけないものか判断するようにしています。要望にただ対応していると、レポートの項目が増えて作業負荷が増えていってしまうからです。そのため、まずは定期レポートとは別に数値を出すことが多いです。一度レポートに組み込んでしまうと、不思議なことに『項目を減らしてくれ』とは誰も言わないんですよね(笑)(小川氏) └────────── Webマーケティングの仕事をしている方なら共感するだろう。また、新たにレポートを作成する際は、簡単に概要を作り掲載項目をすり合わせてから進めている。 ┌────────── できること、できないことを伝えて期待値をコントロールすることも大切です。定期レポートは健康診断のようなもので、サイトの分析や改善策がすぐに出てくるわけではないんです。具体的な改善策を考えるには、さらに深掘りして分析する必要があります。そういったこともあらかじめ伝えています(小川氏) └────────── 小川氏が作成するレポートの形式はクライアント企業ごとに異なる。レポートを見る人のWebリテラシーやタイプに合わせてアレンジしているのだ。 ┌────────── Webリテラシーがあって詳細な情報を知りたい方もいれば、詳しくないから結論を先に知りたい方もいます。詳しく知りたい場合はデータを説明した後に改善案を説明し、結論を先に知りたい方には改善案を話してから必要に応じてデータについて説明しています。 仕事の依頼をいただいたときには、期待値や定例会議に参加する方のリテラシーやタイプを確認しながら進め方を決めています(小川氏) └────────── 多くの仕事やクライアントを抱える小川氏は、ともすると働きすぎになりやすい傾向があると話す。同様に多くのタスクを抱えすぎた経験がある人は多いだろう。そんなときの対処法はあるのだろうか。