どうなるCS?“救世主”榎田の今季初勝利で西武が2位に1差…残り6試合を西武4勝2敗、ロッテ3勝3敗で逆転CS出場
重要な一戦での先発に捲土重来を期す榎田の姿を、19年目を迎えている37歳のベテラン、栗山巧は目の当たりにしている。レギュラーシーズンでは本拠地で最後となる3連戦へ。気合いも新たに「今日は僕も早く球場入りしたつもりでした」と足を踏み入れたロッカールームにすでに榎田がいた。 驚きながらも「頑張れよ」と声をかけた栗山は、相手のエラーと安打で出塁した2人の走者を3番・外崎修汰が送った初回の一死二、三塁のチャンスで今シーズン初、通算でも2度目の先発だった日本ハムの右腕、生田目翼からレフト前へ2点タイムリーを放って榎田を援護した。 「最近、1打席目がいい場面で回ってくるので、ちょっと勘弁してほしいな、と思いつつも何とか結果を出したいと思いながら頑張りました。いいところで回ってくるというのはわかっているし、こういう状況なので何とか仕事がしたい、と。その他はあまり深く考えていないです」 4番に指名されて13試合目。直近では4戦続けて打点をマークしている栗山は、あまり縁がなかった打順に苦笑いを浮かべながら、無我夢中で左打席に入っていると明かした。追い上げムードが高まってきた終盤戦で栗山を4番に指名した辻監督も、全幅の信頼を置きながら理由を説明した。 「走者を返してくれる、という役割を一番期待できるバッターなので。勝たなければいけない試合を毎日戦っている意味で、初回の2点タイムリーはチームに勇気を与えてくれました」 栗山の一打で奪ったリードが、5回に飛び出した9番・木村文紀の8号ソロでさらに広がる。直後の6回に打者3人をすべてショートゴロに打ち取るなど、榎田のノーヒットノーラン達成への期待が高まってきたなかで、7回一死から杉谷のバットが快音を残した。初めての安打となる右越え二塁打を浴びた瞬間、マウンド上の榎田には「歓声というか、あぁ、という感じ」が伝わってきたという。 「何か申し訳ない、という気持ちもそこで出てきましたけど、その後にもうちょっとしっかり投げないと。7回はしっかりと投げきって終わりたかった、という思いはあります」