京大入試にも登場!「ナンプレ」で鍛える思考力。なぜ子供の学習に有効なのか?3つのポイント
この問題では、4×4のマスにタテヨコで数字が被らないように1つずつ数字を入れていく、というまさにナンプレのような操作を行います。 問題は、「数字の入れ方が何通りあるか」ということです。つまり、上で説明したような論理的思考力や、情報整理能力が重要になるのです。 この問題の解き方はさまざまありますが、オーソドックスなものとしては、いちばん上の行、そしていちばん左の列の数字を固定して考える、というものがあります。
■京大入試の答えは? 例えば、上の図のようにいちばん上の行の数字を左から「1、2、3、4」と仮定するのです。そこからさらに、いちばん左の列の数字も同じように仮定します。すると、「どの行、どの列にも同じ数字が1回しか現れない」と、まさにナンプレのルールのように数字の可能性が絞られ、組み合わせ数が少なくなっていくのです。 1つの仮定において入る数字の組み合わせをすべて洗い出すことができたら、その仮定自体を変更します。
最終的には、いちばん上の行の数字の決め方、そしていちばん左の列の数字の決め方がそれぞれ何通りあるか算出して、それに対してそれ以外の数字の入れ方が何通りあるかをかけ算して、答えを出すのです。 この問題の答えは、576通りとなります。2020年の京都大学の入試の文系・理系の共通問題であり、文系の受験者からは「難問だ」「解法が思いつかない」という声が挙がり話題となりました。 しかしこの問題、ナンプレをはじめとした数字パズルを元から好きで遊んでいた受験生にとっては、余裕で解けるくらい簡単な問題だったのです。
このようなマスに数字を並べる概念は、「ラテン方陣」と呼ばれています。この組み合わせが何通りあるかは、パズル好きなら周知の事実、といっても過言ではないのです。 いかがでしょうか。「ナンプレ」と聞いて、しょせん数学マニアの遊びだ、と思った人もいたかもしれません。しかし、ナンプレに触れることで論理的思考力や情報の取捨選択能力が身につくだけでなく、受験問題にもそのまま役に立つ事例もあるのです。 筆者が上梓した『東大式ナンプレドリル』では、さまざまな種類のナンプレを解説しています。小学生でも楽しめる問題から、大人でも悩むような難問まで幅広く問題を用意し、その問題について丁寧に解き方を説明しています。