日本製鉄の提訴は「自ら招いた惨事をなすりつけようとする恥知らずな試み」…被告企業や労組が声明
【ワシントン=田中宏幸】米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスのローレンソ・ゴンカルベス最高経営責任者(CEO)は6日、日本製鉄とUSスチールの提訴を受けて声明を発表し、「自ら招いた惨事の責任を他者になすりつけようとする恥知らずな試みだ」と非難した。訴訟を準備していることも明らかにした。 【図】USスチール「買収計画」の経緯
日鉄とUSスチールは、クリフスとゴンカルベス氏、全米鉄鋼労働組合(USW)のデビッド・マッコール会長が買収計画を阻止するために反競争的で組織的な違法活動を行ったと主張し、米裁判所に提訴した。違法活動を防止するための差し止め命令や数十億ドルの損害賠償を求めている。
ゴンカルベス氏は「日本は中国以上に、何十年にもわたる米国への有害な鉄鋼ダンピング(不当廉売)の歴史がある」と主張。日鉄による買収が国家安全保障の脅威になるとの認識を示した。マッコール氏は読売新聞の取材に対し、「根拠のない申し立てには断固として反論するつもりだ」と争う構えを見せた。