60代で挑んだマンションリノベ。建築家によって大変身した空間に「心が軽くなった」
これまでの暮らしをリフレッシュし、人生をより楽しむための方法――それが、リノベーション&リフォームです。すっきりと暮らしたい、趣味を楽しむスペースが欲しい…。そんな夢を「仕方がない」と、諦めてしまうなんてもったいない! 【写真集】リノベーションは人生の転機?建築家と挑んだ60代のマンションリフォーム この記事では、「人生の大きな整理」をするためにリノベーションを選択したAさんの住まいを紹介します。静謐な色調と、木とファブリックの温もりで構成された上質な空間。好きなものや色だけに囲まれて、セカンドライフを豊かに過ごすステージへと生まれ変わりました。
質感や色、ディテールの積層が生み出すエレガンス
通路兼ライブラリーを通り抜けると、左奥には広々としたリビングダイニング。壁と天井にはグレーブラウンの布クロス(織物壁紙)。垂れ壁や出入り口をフレーミングするモールディングの白が、冴え冴えとした存在感を放っています。足元を包むカーペットは深いネイビーブルー。白、紺、グレーのクールな色調も、ファブリックがもつ温かみと東南からの採光を受けることで、心地よい温感をまとっています。 マテリアルと色、採光が見事に調和する世界をつくり出したのは、建築家の浅利幸男さん。オーナーのAさんが築40年を超えるマンションの改装を決意し、そのパートナーとして設計を依頼しました。 「数年前に家族に先立たれ、その後、仕事をリタイアしてライフスタイルが大きく変わったんですね。いろんな意味で人生を整理したいという思いがわいていきました」とAさん。
部屋と部屋が連なる回遊性のあるプランに
話を聞いた浅利さんは「一つひとつの部屋がつながってゆく、回遊性のある空間」を提案。129㎡という広さは、家族の人数が少なくなったことを考えると、使われない空間が出てくることが予想されました。 その解決策として、廊下はほとんどつくらず、部屋と部屋がそのまま隣り合いながら連なってゆくプランを採用。キッチンと収納を中心に据え、それを囲む形で各部屋とバスルームが連続する配置に。すべての空間は通り道であり、居室でもあるため、常に人が出入りする“生きた空間”となりました。