40代、驚くほど急に「中年が始まる」。元ファンドマネジャーがこれだけは伝えておきたい「大人の危機」とその回避(前)
大学生のアキさん、高校生のルミさん、2人の娘を持つ個人投資家・文筆家の澤田信之さん。「予測を業としてきた自分にも、彼女たちがこれからどのような時代を生きていくのかまったく判断がつかない」と語る澤田さんが、「生きる視点」を子どもたちに伝えるメッセージ書評です。 【父から娘へ書評#3『パーティーが終わって、中年が始まる』pha】前編
24年7月3日から、日本に20年ぶりに新札が登場。20年という年月が持つ意味
アキ、ルミ、お小遣い足りてる? ルミはもう知ってると思うけど、7月から新しいお札が流通します。お札の刷新は日本では20年ぶりです。今回は資本主義の父・渋沢栄一、津田塾の開祖・津田梅子、細菌学の巨人・北里柴三郎の御三方が肖像画に選ばれました。 アキは日本に帰ってきたらびっくりするよね、偽札じゃないから心配しないで。あと手元にある旧札も使えるから。 さて、今日2人に紹介する書籍は、元日本一有名なニート・phaさんの『パーティーが終わって、中年が始まる』です。 phaさんは現在45歳。大学卒業後に学校職員としてタイに赴任、帰国・退職後はブログやX(旧ツイッター)、書籍執筆をベースに、シェアハウス運営など好きなことをしてまったりと活躍されてきました。 ニート、って言葉知ってるよね。Not in Education, Employment, or Trainingの頭文字で、いわゆるひきこもりと並んで20年くらい前に話題になったんだよね。「いい若い者が働きもせず外にも出ず、社会的に問題ありだ」って論調で。 でも、なんと、その代表格と思われていたphaさんが、パーティーが終った、って言うんだからちょっと驚きじゃないですか。
中年期の入り口に、誰しもふと気が付いてしまうのだろう。「残りがあまりに長い」って
本書の冒頭でphaさんはこう言います。 『楽しさをあまり感じなくなってしまったら何を頼りに生きていけばいいのだろう。正直に言って、パーティーが終わった後の残りの人生の長さにひるんでいる』 僕は今50代ですが、2人に伝えておきたいです。人生はパーティーの連続です。それに気づいていないだけで、振り返ればイベント盛りだくさんで、楽しさや時に苦しさに満ち溢れています。 phaさんはこの著作に向けて過去の自作を読み返した、なんと楽しそうだったんだ、と振り返っていますが、きっとこの著作もいずれ未来に同じ感慨をもって読まれることと思います。そう、このパーティーが終わると次のパーティーが待っているからです。