あかちゃんがなかなか寝てくれない…すぐ泣く乳児期前半の寝かしつけ、これで解決。
生まれたばかりのあかちゃんは睡眠が安定しません。そのため、「必死に寝かしつけているのに、全然寝てくれない!」と困り果てた経験がある保護者も多いのではないでしょうか。今回は乳児期前半のあかちゃんの寝かしつけの具体的な方法について、障害児療育の専門家で保育園の理事長でもある山口平八さんの著書、『子どもは育つ 0歳から2歳児の発達と保育』から抜粋・編集してお贈りします。〈あかちゃんの睡眠の問題を考える〉全2回の記事の1回目です。 【画像】死刑囚が執行時に「アイマスク」を着用する衝撃の理由
新生児から睡眠はどのように発達していくのか
生まれたばかりのあかちゃんは、まだ睡眠と覚醒のリズムに昼夜の区別がありません。しかし、1週間ほどすると次第に光に反応するようになり、1ヵ月頃になると、睡眠は夜間に、覚醒は昼間に少しずつかたまり始めます。 外界の刺激に出合うことで、あかちゃんは外界を受けとめ、適応していく力を伸ばしてくるのです。昼間は自然の明るさの中で子どもと生活し、夜は暗い中で寝る。そんなごく当たり前の生活が、まず子どもの発達には大切なのです。 通常、生後2ヵ月~4ヵ月で、あかちゃんの生体リズム(体内時計)は地球の概日リズムに協調しはじめます。そして、あかちゃんの睡眠は夜にかたまり、昼間は起きている時間が長くなってきます。 では、そんな生まれたばかり~生後4ヵ月程度のあかちゃんの、具体的な寝かしつけのパターンをいくつかみていきましょう。
健康な子は仰向きで、大の字になって寝る
人は、直立二足歩行を獲得したことで、身体構造的に仰臥位(仰向き)ができるようになりました。仰向きで寝ることができるのは、人間の特徴の一つだといってもいいでしょう。 私たちの国では昔から、「健康な子は大の字になって寝る」と言い伝えられてきましたが、身体に何らかの異常が出てくると、仰向きを嫌がるようになります。あかちゃんをゆったりと仰向きで寝かせるには、どうすればいいのでしょう。 まず、仰向き寝のとらせ方です。首や背の反りは、緊張をまねきます。首が反る子は薄い枕などで調節して、顎が上がらないようにします。 背中に余計な反りをつくらないためには、固めの布団に寝かせます。それでも背中が反るようでしたら、膝の下に丸めたバスタオルなどを入れ、骨盤を水平位に起こしてやると、背骨の反りは緩みます。 掛け布団を分厚くし過ぎても、子どもはよく寝られません。特にあかちゃんの体温は大人より1度~2度も高いので、薄めの布団を胸までかけるだけでいいのです。室温が7度~8度もあれば、手が外に出ていてもかまいません。かえって、熱を放出することで、体温を調節する力をつけていきます。 健康な子は大の字に寝るといいましたが、人の夜の眠りにはリズムがあり、深い眠り(ノンレム睡眠)と、浅い眠り(レム睡眠)が交互にやってきます。眠りが浅い時間帯にはよく身体を動かし、月齢が高くなると布団からはみ出すことも度々あります。そんなときの動きや姿勢は気にする必要はありません。眠りにつくときに仰向きを嫌がらず、快適に眠りに入っていけることが大事です。