あかちゃんがなかなか寝てくれない…すぐ泣く乳児期前半の寝かしつけ、これで解決。
うつ伏せ寝はこの時期のあかちゃんには負担が大きい
生まれて間もないあかちゃんが一人で長い時間いられたり、自由に手足を動かせたりする姿勢は、仰向きです。うつ伏せでは動きが制限されるし、頭を上げようとすると全身が反って、3ヵ月過ぎには飛行機のような姿勢になってしまいます。こんな状態を続けると全身の緊張が高まって、仰向きに寝かせ直しても、保育者が抱いても、子どもは身体を突っ張って眠りにくくなります。 子どもが上半身を肘で支えて自由に頭が上げられるようになるのは、月齢でいうと4ヵ月半頃からです。それ以前のうつ伏せはあかちゃんにとって負担が大きく、その姿勢で寝ているだけでも緊張をまねきます。 うつ伏せ寝は、首のすわりを促進したり、呼吸器機能を強めるなどといって、新生児期から奨励された時期もありましたが、機能的な首のすわりは、発達の過程をとばしてなされていくものではありません。 呼吸も、うつ伏せではまだ柔らかい肋骨部(胸郭)が圧迫され、かえって浅くなります。身体の発達であっても、心の発達であっても、発達は原則として順序を追って進んでいくものなのです。まだその時期でないのに先々のことを求めていくと、身体や心には負担が生じてきます。
寝かしつけようとすると泣く場合
あかちゃんを横抱きにして立ってください。そして歩きながら寝かしつけます。 火がついたように泣きだしたら、その場で駆け足をするように動きます。すると、あかちゃんは落ちついてきます。なぜかというと、一哺乳類である私たちの遠い祖先は、外敵に遭遇したとき、子どもを抱きしめ、安全な場所に逃げたからです。 そのとき、抱かれていた子どもも、敵に見つからないように声をひそめ、大人に身をまかせて逃げました。子どもたちも本能的に身を守ろうとしたのです。 子猫が親猫に咥えられ、身を隠すときも、鳴いたり、もがいたりはしません。この性質をうまく利用するのです。
せっかく寝たのに、保育者が座ると泣き出す場合
泣いていたあかちゃんが静かになり、腕の中でまどろみはじめると、保育者は椅子にでも腰を下ろしたくなります。しかしどんなに静かにしゃがんでも、腰をかけた瞬間にまた泣きだします。 あかちゃんは外敵から逃れ、安全な場所に着いたとでも思うのでしょうか。保育者が座っても目を覚まさないでいてもらうには、深い眠りについてもらう必要があります。 目を閉じたあかちゃんが、腕の中で深い眠りに入るには、7分~10分近くかかります。その間、歩く必要はありませんが、保育者は立ったままでいる必要があります。 立って、あかちゃんの身体を軽くゆするか、お尻の辺りを手のひらでトントンしていてやります。深い眠りに入ると、布団に入れてもそのまま眠ってくれます。夜中に起きそうになると、寝たままでトントンします。 いかがでしたか? とり入れられそうなところから、是非試してみてください。 2/2回目の記事はコチラ→〈「あかちゃんが夜中に泣き出して全然眠ってくれない」…乳児期後半の絶望的な「夜泣き」への対応策5選〉
山口 平八