GP出場を懸けた「競輪祭」が開幕!ドラマを生む“絶対に注目すべき3選手”を紹介
ダブル・グランドスラムに挑む古性優作
S班の古性優作は現在、11月15日時点で年間獲得賞金が2億4138万4596円に達し、後続の平原康多に1億円以上の差をつけて賞金ランキング首位を独走中。すでにGP出場権も手に入れ、圧倒的な実績を誇る輪界の“王者”です。 しかし、これだけではありません。「すべてのG1タイトルを2度ずつ制覇し、ダブル・グランドスラムを達成する」という、前人未到の大記録をも目指しています。 では、そもそも競輪の「グランドスラム」とは何でしょうか? 競輪のオフィシャルサイト「keirin.jp」によると、グランドスラムは「4日制以上の全てのG1で優勝すること」と定義されています。具体的には、以下の6つのG1レースを制することです。 ・読売新聞社杯全日本選抜競輪 ・日本選手権競輪 ・高松宮記念杯競輪 ・オールスター競輪 ・寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント ・朝日新聞社杯競輪祭 このグランドスラムの偉業を達成した選手(グランドスラマー)は、過去に井上茂徳(引退・佐賀=41期)、滝澤正光(引退・千葉=43期)、神山雄一郎(56歳・栃木=61期)、新田祐大(38歳・90期=福島)の4名しかいません。 現在、古性は「全日本選抜競輪」「高松宮記念杯競輪」「オールスター競輪」「寛仁親王牌」の4大会で、すでに2度の優勝を達成。「日本選手権競輪」と「競輪祭」で、まだ優勝を手にしていません。今年の競輪祭を制すれば、グランドスラムにリーチがかかります。 王者・古性がダブル・グランドスラムへの道に一歩近づく瞬間、競輪祭で私たちは歴史の一幕を目撃するかもしれません。
競輪界の主役たちが勢揃い
年末のGP出場権をかけた今年最後のG1戦となる競輪祭には、先の3選手に加えて多くの主役候補がそろいます。 最高峰のS班9人は全員が参戦予定。2023年大会覇者の眞杉をはじめ、清水裕友(30歳・山口=105期)、脇本雄太(35歳・福井=94期)ら精鋭たちが激突します。 また、パリ五輪出場の太田海也(25歳・岡山=121期)、中野慎詞、窪木一茂(35歳・福島=119期)、小原佑太(28歳・青森=115期)も名を連ねます。さらに、優勝すれば地元・静岡競輪場でGPを迎えるS班の深谷知広も、錦を飾るべく強い覚悟で臨んでいることでしょう。 猛者たちが小倉に集結。火花を散らす熱戦がいよいよ幕を開けます! 文/木村邦彦 編集/セールス森田 写真/公益財団法人JKA 【木村邦彦】 編集者・ライター。法政大学文学部哲学科卒業後、歴史、金融、教育、競輪など幅広い分野の専門メディアに関わり、大手競輪メディアではニュースやコラムを執筆。現在は、アルコールやギャンブル依存症の回復支援団体で広報も担当。FP2級と宅建士の資格を保有。趣味は油絵とコーヒー。
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