PERは古い?歴史的高値圏で有効な「投資尺度」はこれだ
日本株相場が歴史的な高値圏まで上昇する中、これまでの投資手法が通用しなくなる場面も増えていきそうです。こうした局面で有効な投資尺度とは?(撮影:梅谷秀司)
日本株市場において伝統的に使われてきた代表的な銘柄の選び方として、「割安で高成長な企業」を選別する方法が挙げられます。高い成長が期待されるのに株価が割安となっている銘柄は今後、市場で高成長が評価されて株価の上昇が見込めるからです。 ここで「割安」と「高成長」の基準を考えてみましょう。割安株を選ぶ際によく使われる指標にPER(株価収益率)があります。株価を1株当たり純利益(EPS)で割ることによって、「株価が利益の何倍まで買われているか」を知ることができます。 2月9日時点の日経平均株価の予想PERは16.07倍です。日経平均を市場平均として見れば、PERがこの水準を下回っている企業の株価は割安感があると考えられます。あるいは、経験則的にPERが1桁(10倍を下回っている)の企業は割安感が強いといえるでしょう。 次に「高成長」の基準を考えてみましょう。シンプルに「高成長」といえば、増益率が高い銘柄となります。今期、あるいは来期までの予想増益率が2桁成長率(10%以上の成長率)の銘柄を絞り込むなどの方法があります。 これらの2つの条件を組み合わせると、どうなるでしょうか。例えば「予想PERが1桁で、予想増益率が2桁」の銘柄をスクリーニングによって選ぶことが可能です。この銘柄選別方法は「割安で高成長な企業」を選ぶのに適したものといえます。 一方、今回と次回(2月22日配信予定)の2回にわたって紹介する「成長している企業の割安度合い」から選ぶ方法は、これとは少し違ったものとなります。筆者は、今後の株式市場における物色の方向は「割安で高成長な企業」よりも「成長している企業の割安度合い」から銘柄を選別するほうが効果的と考えています。 そこで、これら2つの銘柄選びの違いを確認したうえで、実際の銘柄選別の効果を検証します。
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吉野 貴晶