なぜ大阪女子マラで東京五輪“補欠”の松田瑞生が日本歴代5位の好記録で優勝できたのか…驚異の練習量と豪華ペースメーカー
松田は今年7月に米国で開催されるオレゴン世界選手権での勝負を考えているが、世界では日本記録(2時間19分12秒)を上回る2時間17~18分台の記録がバンバン出ている。世界トップと真っ向勝負するにはまだまだ実力が足りていない。世界大会のメダルを見つめる松田だからこそ、そのことをしっかりと理解している様子だった。 さらにパリ五輪の日本代表を獲得するには2023年秋に予定されているMGCを勝ち抜かないといけない(※パリ五輪の出場資格要項が未発表であるため、MGCでの内定条件や内定人数などについても未定)。世界選手権やMGCにペースメーカーはつかないことを考えると、松田の言う通り、終盤のペースアップが勝負のポイントとなる。 地元・大阪で意地の快走を見せた松田だが、パリ五輪に向けた戦いは始まったばかりで、課題も残っている。それでも今回はベストコンディションではなく、状態は「7割」ほどだったという。好条件のレースに参戦すればまだまだタイムを短縮できる余地は十分にあるだろう。 今後に向けても、「高橋尚子さんや野口みずきさんと話をさせていただいたときに、28歳までは練習量を減らさんでも大丈夫よ、みたいな感じで言われたので、私が28歳になるまでは今以上に練習を積んで、後半も持つような体力を作っていきたいと思っています」と超ハードトレーニングの方針を変えるつもりはない。26歳の“なにわのど根性娘”は自身のスタイルを貫いて、貪欲にパリ五輪を目指していく。 (文責・酒井政人/スポーツライター)