FigmaがAIでさらに進化! Web制作はもはや完全自動化目前? 「Config APAC 2024」現地レポ
AIを活用し「アイデアと現実のギャップをなくす」。ものづくりを一気通貫できる未来を目指す
キーノートを終えた CEOのディラン・フィールド氏、チーフ・プロダクト・オフィサーの山下祐樹氏に、今回のアップデートの背景について話を聞いた。
ーーFigma AIに多くの注目が集まりましたが、Diagram社が主に開発を担ったのですか?
フィールド氏: Figma AIの進化には、プロダクトデザイナーのジョーダンを中心に、Figma全体で取り組んでいます。研究・デザイン部門だけでなく、すべてのプロダクトのエンジニアリングに携わる、おそらく何百人もの人々が、これらの機能をテストし、開発に寄与しています。Figma AIはまだAIへの投資の始まりに過ぎません。 ーー今後どのような分野でのAI活用が考えられますか。 山下氏: 今日デモで紹介したのは地図やレシピを活用したAI活用の例ですが、音楽アプリを作るなら曲のリスト、ニュースアプリを作るなら記事のリストを読み込むユースケースもあるでしょう。私たちが注力しているのは、プロトタイプを作ったり、レイアウトをiOSやAndroid用に変換したりといった、デザイナーが手作業で多くの時間を費やしている部分をいかに削減し、より戦略的なことに集中する手助けができるのかという点です。 ーー今回、AI構築におけるポリシーを公表しました。 フィールド氏: AIモデルがデザインコンセプトを理解する必要がある部分は、開発が困難です。ユーザーの業務負荷を改善させるには、既製のAIモデルの活用だけで十分であるとは考えていません。そのため我々は長期的に自社でAIモデルを学習させる必要があると考え、ポリシーを定めました。 編集部注:EUが5月にAI規制法を可決。オプトイン・アウトやサードパーティのリスク管理プロセスなどを利用規約で定義するようAI事業者に求めている(関連記事)。 ーーFigmaスライドの公表にも大きな反響がありました。 フィールド氏: 多くのユーザーがFigma上でスライドを作っているのを見て、私たち自身も社内でデザイン以前にブレーンストーミングやアイデア出しをホワイトボードを使って行っていることに気づきました。それならば、FigJamでのアイデア出しから、Figmaスライドでのアイデア共有、将来的にはそのアイデアのデザイン化、コード化へと進む流れを作れるのではないかと。AIはある領域から別の領域への翻訳に非常に長けていますから、異なるプロダクト同士の架け橋にも使えるはずです。もし将来、Figma上でそのような一気通貫のものづくりができれば、「アイデアと現実のギャップをなくす」という私たちのビジョンにまた一歩近づくことができます。