民法改正、離婚後の「共同親権」導入でどう変わる?メリット、デメリットは?別れても父母で子育てする共同養育のコツ
<親にとってのメリット> ・育児の分担 共同養育して育児分担をすることで、自由な時間を手に入れることができるケースもあります。趣味やリフレッシュの時間にあてるのはもちろん、スキルアップを目指すのであれば収入アップも望めて一石二鳥です。とはいえ離婚したわけですから、「信頼できない相手に子どもを任せるのは心配」と考える方も多いですが、子どもが楽しんでいるのであれば多少のことは目を瞑って任せるのもひとつ。そのためにはお相手も穏やかにやりとりを行うなど努力や心がけが重要ですね。 ・経済面 共同養育を行っている方が養育費の支払い率が高いのも事実です。また、義祖父母や親戚などとも変わらず交流を続けることによって、お誕生日やクリスマス、入学時のお祝いなども継続してもらうことができ、家計的に助かる場面も。経済的なメリットも視野に入れて、自身の感情と混同せずに冷静に対応することが賢明です。 ・万が一の時のリスクヘッジ いつどこで自分自身が病気や不慮の事故に巻き込まれるかはわかりません。そんなとき、愛する子どもが路頭に迷わないために、子どもが頼れる人がいるという状況にしておくことも大切ですね。自分にもしものことがあった時、相手と子どもが10年振りの再会でギクシャク…なんてことにならないためにも、定期的に交流をしておくことが大切です。
◆円滑な共同養育をするコツ 共同養育のメリットがわかったところで、では実際、「離婚するほどの相手とどうやって育児を協力してやっていくのか」が気になるところではないでしょうか。 離婚するにはまず離婚に向けた協議をしなくてはなりません。本人同士で話し合いが困難な場合には、弁護士に依頼して裁判所で離婚調停を行う方法もあります。 子どもがいる場合には夫婦は解消しても父母としての関係は続くので、円滑な共同養育を実践するために何より大事なのは、「いかに争わずに離婚するか」に尽きるのです。共同養育の条件について調停で散々もめて離婚した後、円滑な共同養育などできるはずがないですよね。 しかしながら裁判所での調停や裁判は、養育費、財産分与、慰謝料請求など条件面で争い奪い合い泥沼化していく傾向になりがちです。 まず、「争わない離婚」に向けてのスタートは、離婚の切り出し方です。ポイントとしては、「離婚の原因を相手だけに押し付けない」ということ。誰も自分のみが原因で離婚となることを簡単に合意できるはずがありません。そこで反論合戦が始まり相手への疑心が深まりさらに関係が悪化していきます。また、離婚を切り出された側は準備期間がないため不安に陥るのも当然。相手が不安になるだろう、子どもの養育、金銭面などについては相手の意向を聞きながら条件を決めていくことが肝となります。 また、協議の方法として本人同士での話し合いが折り合いがつかない場合には、「ADR(裁判外紛争解決手続)といって、専門家の調停者が仲裁に入って夫・妻・調停者の三者で協議を進めていく方法があります。