コロナ禍の中、迫る災害 そのとき避難するべきか?【#コロナとどう暮らす】
緊急事態宣言が解除されましたが、当然ながら、新型コロナウイルスに感染するリスクがなくなったわけではありません。こうした中、6月に入り、いよいよ日本列島は、集中豪雨や台風などで川が増水しやすくなる出水期に入りました。毎年のように日本のどこかが水害に見舞われていますが、もし今、災害の危険が差し迫ったら、どうすればよいのでしょうか。 「避難所に行くことだけが避難ではない」 新型コロナで「避難に関する提言」発表 日本災害情報学会 「災害」と「感染症」。どちらも対処の方法を間違えてしまうと、命にかかわりかねないものです。このため、どのような対策をすればよいのか分からず、悩んでしまう人がいたとしても、不思議ではありません。正解が一つではないことも、悩みの種になりそうです。 ただ、どちらも目的ははっきりしています。それは「自分の命を守る」ことです。
暴漢と居酒屋
極端な話をします。例えば、今、あなたが暴漢に追われているとします。そして、あたりを見回したところ、近くで逃げ込めそうな場所は、小さな居酒屋しかありません。そこに逃げ込まず、つかまってしまえば、あなたは殺されてしまうかもしれません。しかし、居酒屋の中は人がいっぱい。しかも、マスクもなしに、大声で騒ぎまくっています。この中に、もし、新型コロナウイルスの感染者がいたら、あなたは感染するかもしれません。さて、あなたは、居酒屋に逃げ込むでしょうか。それとも、感染を恐れて、このまま逃げ切れることに賭けるでしょうか。 多くの人は、感染のリスクがあったとしても、居酒屋に逃げ込むことを選ぶのではないでしょうか? もちろん、だからといって、「居酒屋に逃げ込むことが唯一の正解である」と断言することはできません。居酒屋に逃げ込んだことで暴漢から逃れることはできても、新型コロナに感染し、命を落とす可能性はゼロである、と言い切ることはなかなか難しいからです。それでも、居酒屋に逃げ込むことを選ぶというのは、その時点で「自分の命を守る」確率の高い行動であるといえそうです。