「東京アラート」発動 小池知事「ステップ2から1に戻るものではない」
東京都は2日夜、新型コロナウイルスの感染拡大の兆候が見えた際に都民に警戒を呼び掛ける「東京アラート」を発動した。小池百合子知事は都の対策本部会議後に報道陣の取材に応じ、「院内感染があったとはいえ、感染者が30人を超えるのは多く、警戒すべき水準。これは都民に感染状況を知ってもらうものだ」と述べた。
「ステップ戻る訳ではない」
小池知事は新規感染者の傾向として「夜の街関連、とりわけ新宿エリアにおける飲食・接客業関係者が多いという報告を受けている。改めて、例えば『夜の街』『3密』に十分注意してもらいたい」と強調。2日の新規感染者には20代が9人含まれるなど若い世代が多いことも明らかにした。小池知事は「第2波に備えるということで、改めてこの(感染の)波をこれ以上上げないということをお願いしたい」と訴えた。 事業者には対しては、「ステップ2に移行している訳だが、これでステップ2から1に戻るというものではない。ただし、ガイドラインに沿って、事業を再開された方には注意いただきたいし、利用する方々も基本的な感染症の(拡大)防止に協力をお願いしたい」と述べた。
レインボーブリッジ、都庁が赤にライトアップ
今回の発動によって即座に自粛緩和のステップが変わるわけではないが、目安とする指標の悪化傾向が続いた場合には、感染拡大防止の観点から再び自粛強化のステップに戻る可能性もある。東京アラートの発動により、レインボーブリッジと東京都庁が赤くライトアップされる。 都は以下の7つの指標を設け、休業要請の緩和などの判断に用いている。そのうち(1)(2)(3)の指標が1つでも基準を超えた場合に「東京アラート」を出すことを検討し、そのほかの4項目を加味しながら発動を決める。 (1)新規陽性者数(直近7日間平均で、1日20人未満が緩和の目安。50人以上が再要請の目安) (2)新規陽性者のうち感染経路不明者率(50%未満が緩和の目安。50%以上が再要請の目安) (3)週単位の陽性者増加比(1未満が緩和の目安。2以上が再要請の目安) (4)重症者数 (5)入院患者数 (6)PCR検査の陽性率 (7)受診相談窓口への相談件数 2日(午後6時45分現在)のそれぞれの数値を見ると、(3)が再要請目安を上回っている。それぞれの数値は以下の通り。 (1)16.3 (2)50% (3)2.15 (4)26人 (5)312人 (6)2.1% (7)938件 政府は5月25日、最後まで「緊急事態宣言」下にあった東京を含むに5都道県に対して宣言を解除した。都は、休業要請対象としていた職種を3グループに分類。宣言解除の翌26日から「ステップ1」として大学や博物館、美術館などの休業要請を緩和。さらに、6月1日に「ステップ2」として劇場、スポーツジム、生活必需品以外の小売店などの休業要請を緩和した。