どうなる?!熾烈なJ残留争い…横浜FC、仙台、大分のJ2降格決定で、残るは湘南、清水、徳島のうち1チームが降格
勝ち点7ポイント差に6チームがひしめき合い、例年以上に熾烈を極めていたJ1残留争いが、20日の明治安田生命J1リーグ第36節で大きく動いた。 17位以下の4チームが自動的にJ2へ降格するレギュレーションのなかで、鹿島アントラーズと0-0で引き分けた18位の大分トリニータ、湘南ベルマーレに0-2で敗れた19位のベガルタ仙台、ヴィッセル神戸に0-2で屈した最下位の横浜FCと、残留へ向けて勝利だけが必要だった下位3チームがそろって涙を飲んだ。 今節でともに白星をあげながら、依然として降格の可能性を残す15位の湘南、16位の清水エスパルス、17位の徳島ヴォルティスのなかで生き残る2チームはどこになるのか。27日に待つ湘南と徳島の直接対決を含めて、残り2節の展望を探った。
仙台に引導を渡した湘南
天国と地獄が明確に分け隔てられた。今節で白星をあげた3チームがJ1残留へ一歩近づき、あるいは可能性を繋ぎ止めた一方で、勝てなかった3チームの希望が問答無用で潰えた。熾烈を極めていたJ1残留争いが一日で大きく動いた。 新型コロナウイルス禍の影響で昨シーズンに降格なしの特例が設けられたため、2チーム増の20チームで争われてきた今シーズン。一転して17位以下の4チームが自動的にJ2へ降格する状況で、大分、仙台、横浜FCの18位以下が一気に決まった。 仙台に実質的な引導を渡したのは、残留を争ってきた湘南だった。 J1リーグの戦いで4分け3敗と勝ち星なしが続いていた鬼門、ユアテックスタジアム仙台で開始10分にFWウェリントンのゴールで先制。後半29分には右ウイングバックの岡本拓也が追加点を決めて、仙台の反撃を最後まで零封して快勝した。 相手ゴール前まで侵入して山なりのパスを配球し、ウェリントンの先制弾をアシストしていたキャプテンの岡本は、わずかにずれた相手の横パスを敵陣中央でインターセプト。そのまま持ち上がってペナルティーエリアの外側から右足で叩き込んだダメ押し弾を、会心の表情を浮かべながら「魂を込めて打ちました」と振り返った。 「高い位置でプレッシャーをかけるプレーは、智さんになってずっとやってきたこと。いい準備ができていたし、あの場面では自分が打った方がいいと判断しました」 岡本の言う「智さん」とは、9月から指揮を執る山口智監督。最初の5試合こそ白星から見放されたが、目指す方向はぶれなかった。